まいたけ・しめじ・えのき。栄養の個性で、おいしく使い分け

この記事の著者
【氏名】杉本愛季(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)
【経歴】
2012年〜2016年 スポーツ会社 管理栄養士として勤務
2016年〜2021年 大学助手(栄養学科)として勤務
2021年〜2024年 病院管理栄養士として勤務
2024年~ フリーランスとして活動
【資格・免許】
2014年 5月 管理栄養士免許 取得
2016年 5月 健康運動指導士資格 取得
2021年 10月 公認スポーツ栄養士資格 取得
きのこのおいしい季節がやってきました。
まいたけ・しめじ・えのきは、炒めものにも汁ものにも、毎日の料理で大活躍なトップ3。
この3種類、実は同じきのこでも栄養の個性が結構違います。
今回は、この3種類を深掘りしながら、それぞれを活かすおすすめレシピもご紹介します。
スーパーで選ぶ時の参考に、ぜひご覧ください!
目次
「きのこ」の魅力
まずは細かい種類の話の前に、きのこ全体に共通する強みを。
どれも低カロリーで、食物繊維がたっぷり。
そして、食べ物からとりにくいビタミンDの、貴重な供給源でもあります。
また、きのこはうま味が豊富。
きのこのうま味の正体は、グアニル酸という成分です。
なんとこのグアニル酸、昆布や野菜、トマト、チーズに多いグルタミン酸と合わさると、
うま味が何倍にも強く感じられるんです(うま味の相乗効果)。
うま味がきいていれば、塩は控えめでも満足感を得られやすい。
おいしく減塩もできる心強い味方です。

トップ3それぞれの特徴
まいたけ … ビタミンDは、きのこの王様
3つの中で、栄養面でまず目を引くのが、まいたけ。
ビタミンDが約4.9μg(生100gあたり)と、きのこの中でも断トツに多いんです。
しめじ(約0.5μg)やえのき(約0.9μg)と比べても、ひとけた違い。
骨の栄養を意識したい人におすすめです。
香りが豊かで、加熱すると風味が引き立つのも魅力。
そんなまいたけは、鮭との組み合わせがおいしさも栄養面でもおすすめです。
鮭とまいたけのバターしょうゆホイル焼き
材料(2人分):生鮭2切れ/まいたけ1パック/玉ねぎ1/2個/バター10g/しょうゆ小さじ2/お好みでレモン
(1) アルミホイルに、薄切り玉ねぎ→鮭→ほぐしたまいたけの順にのせます
(2) バターをのせ、しょうゆを回しかけて、ホイルを閉じます
(3) フライパンに置き、底に少し水を入れてふたをし、中火で10分ほど蒸し焼きに
(4) 鮭に火が通ったら完成。好みでレモンを添える
鮭もまいたけも、ビタミンDの宝庫。
バターの脂で吸収もよく、骨の栄養をダブルでチャージできます。
包んで蒸すから、うま味も香りも逃しません。

しめじ … クセのない万能タイプ
ぶなしめじは、クセがなく、どんな料理にもなじむ万能タイプ。
栄養では、カリウムが約370mg(生100gあたり)と、3つの中でいちばん多めです。
カリウムは、余分な塩分(ナトリウム)の排出を助ける栄養素。
味つけが濃くなりがちな料理に合わせやすいのも、うれしいポイントです。
そんなしめじを活かすなら、レンジ蒸しが手軽でおすすめです。
しめじと鶏むね肉のレンジ蒸し ポン酢だれ
材料(2人分):鶏むね肉1枚/ぶなしめじ1パック/酒大さじ1/塩少々/ポン酢・ごま油・小ねぎ 各適量
(1) 鶏むね肉は、薄めのそぎ切りにし、塩と酒をもみ込みます
(2) 耐熱皿に鶏肉を広げ、ほぐしたしめじをのせます
(3) ふんわりラップをして、電子レンジ(600W)で5〜6分
(4) ポン酢とごま油をかけ、小ねぎを散らして完成
高たんぱく・低脂質の鶏むねに、カリウム豊富なしめじを合わせた、軽いのに大満足の一皿。
レンジだけですが、しめじのうま味でむね肉がしっとり。味つけはポン酢だけでも十分です。

えのき … ビタミンB1と食物繊維がしっかり
細くて食べやすく、価格も手ごろなえのき。
栄養面では、ビタミンB1が約0.24mg(生100gあたり)と、3つの中でトップ。
B1は、糖質をエネルギーに変えるのを助ける栄養素。
ごはんやうどんなど、主食と合わせる料理にぴったりです。
食物繊維も約3.9gとしっかり。
なお、えのきは生では食べられないので、しっかり加熱してからいただきましょう。
そんなえのきの持ち味が生きるのが、豚肉巻きです。
えのきの豚肉巻き 甘辛だれ
材料(2人分):えのき1袋/豚うす切り肉6枚/しょうゆ・みりん・酒 各大さじ1/砂糖小さじ1/片栗粉 少々
(1) えのきは根元を落として6等分し、豚肉で巻いて、片栗粉を薄くまぶします
(2) フライパンで、巻き終わりを下にして焼き、転がしながら全面をこんがりと
(3) 合わせ調味料を加え、照りが出るまでからめて完成
豚肉のビタミンB1と、えのきは相性ばっちり。
えのきでかさ増しできるから、少ない肉でも大満足。
甘辛だれで、ごはんもお酒も進みます。

組み合わせると、もっとおいしい
まいたけの香り、しめじのうま味、えのきの食感。
1種類ずつ使ってももちろんOKですが、数種類を組み合わせるのも◎。
きのこのうま味は加熱で増えるので、炒めものや汁もので、じっくり火を通すのがおすすめ。
手軽に取り入れるのなら、スープやみそ汁。
溶け出した成分も、汁ごといただけるのでおすすめです。

まとめ
同じ“きのこ”でも、まいたけ・しめじ・えのきで、それぞれ特徴が違います。
栄養面にも目を向けながら、旬のきのこを味わってみてください。
【参考】
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」「ビタミン」「カリウム」