旬の秋鮭、どう食べる?カルシウム+ビタミンDのセットでおいしく骨づくり

この記事の著者
【氏名】杉本愛季(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)
【経歴】
2012年〜2016年 スポーツ会社 管理栄養士として勤務
2016年〜2021年 大学助手(栄養学科)として勤務
2021年〜2024年 病院管理栄養士として勤務
2024年~ フリーランスとして活動
【資格・免許】
2014年 5月 管理栄養士免許 取得
2016年 5月 健康運動指導士資格 取得
2021年 10月 公認スポーツ栄養士資格 取得
秋が旬の鮭。焼いても鍋にしてもおいしくて、食卓に登場する機会も増えますよね。
実はこの鮭、ビタミンDを多く含む魚。
そして骨づくりには、このビタミンDとカルシウムを一緒にとるのがポイントです。
「なぜビタミンDが骨に大切なのか」は別の回でもお話ししたので、今回は秋の鮭をどう食べるかに寄せてご紹介します。
いつもの焼き鮭も、組み合わせを少し変えるだけで、とれる栄養が変わりますよ。
目次
そもそも「秋鮭(あきざけ)」って?
秋に出回る鮭は、数年かけて海を回遊した「しろさけ」が、産卵のために生まれた川へ戻ってくるもの。
北海道では「秋味(あきあじ)」とも呼ばれます。
産卵を控えて身が引き締まり、脂は比較的あっさり。
だからバターを使うホイル焼きやクリーム煮、ムニエルのように、コクを足す料理と相性がいいんです。
ちなみに、鮭は見た目が赤いので赤身魚と思われがちですが、分類上は実は「白身魚」。
身がピンク色なのは、エサにする小さな甲殻類に含まれるアスタキサンチンという色素がたまるからなんです。
抗酸化作用があると言われる成分で、鮭ならではの特徴ですね。

鮭のビタミンD、どれくらい?
秋鮭として出回る「しろさけ」には、生の状態で100g当たり32μgのビタミンD。
成人の1日の目安量は9.0μgなので、100gの切り身で、その約3.6倍です。
鮭はビタミンDを補いやすい、頼もしい食材なんですね。
そしてビタミンDには、カルシウムの吸収を助ける大切な役割があります。
だから、鮭のビタミンDにカルシウム食材を合わせると、骨づくりにうれしい一皿に。
カルシウムは、こんな食材からとれます。
- 牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品
- 小松菜・豆腐・大豆製品
- 小魚・桜えびなど
「鮭を焼いたら、付け合わせを乳製品か青菜に」——それだけでも、りっぱな組み合わせです。

まずは、いつもの焼き鮭から
むずかしく考えず、まずは焼き鮭で十分です。
夕食の主菜はもちろん、ほぐしてご飯に混ぜれば、朝食やおにぎりにも使えます。
鮭とごまの混ぜご飯
- 焼いた鮭は骨を取ってほぐす
- ご飯に鮭とごまを混ぜる
- 小ねぎや大葉を足すと、香りも楽しめる
塩鮭を使えば、ご飯に塩を足さなくてもほどよい味に。
おにぎりにすれば、魚のおかずを別に用意しなくても食べやすいですよ。
鮭ときのこのホイル焼き
- アルミホイルに鮭、しめじやえのき、薄切りの玉ねぎをのせる
- 少量のバターを加えて包む
- フライパンに置き、底に少し水を入れてふたをし、蒸し焼きに
- 火が通ったら、しょうゆやポン酢で味を整えて完成
魚と野菜を一度に用意できるので、品数を増やすのが大変な日にも便利です。

カルシウムも一緒に。骨にうれしい鮭レシピ
ここからは、カルシウムを組み合わせた一皿です。
鮭のチーズ焼き
- 鮭をフライパンで中まで焼く
- チーズをのせてふたをし、溶けるまで温める
- 仕上げに黒こしょうをひと振り
いつもの焼き鮭が、ちょっと違う一皿に。
チーズでカルシウムも足せます。
鮭と牛乳のクリーム煮
- ひと口大の鮭、玉ねぎ、きのこを炒める
- 小麦粉を少しまぶし、牛乳を少しずつ加える
- 鮭に火が通るまで煮て、塩・こしょうで味を整える
牛乳でカルシウム、小松菜を加えれば彩りと野菜もプラス。
寒くなる季節にうれしい一品です。
鮭と小松菜のさっと炒め
- 鮭はひと口大、小松菜はざく切りに
- フライパンで鮭を焼き、小松菜を加えて炒め合わせる
- しょうゆ少々で味を整える
青菜のカルシウムと鮭を、さっと一皿で。
あと一品ほしいときにも便利です。
鮭の石狩鍋ふう
- 鮭、白菜、豆腐、きのこを昆布だしで煮る
- みそを溶き入れ、仕上げに牛乳を少し加える
- まろやかなコクが出て、カルシウムもプラス
豆腐や牛乳でカルシウムもとれて、体の芯から温まる。
秋冬の食卓にぴったりの鍋です。

忙しい日は”鮭缶”も便利
「毎回焼くのは大変…」という日は、鮭の水煮缶が頼りになります。
鮭缶は骨ごと食べられるのが魅力。
ビタミンDに加えて、カルシウムも一緒にとれるんです。
サラダやスープ、炊き込みご飯にそのまま加えるだけ。
忙しい日の一品にもぴったりですよ。

鮭を買うときの、ちょっとした話
スーパーの鮭には、味つけの違いで「生鮭」「甘塩」「辛塩」などがあります。
- 味を自分で調整したい料理には、「生鮭」や「甘塩」
- 混ぜご飯やおにぎりには、塩けのある「塩鮭」が便利
つくりたい料理に合わせて選ぶと、味つけがぐっとラクになりますよ。

まとめ
骨づくりは、鮭のビタミンD × カルシウムのセットで。
ぜんぶを一皿にまとめなくても大丈夫。
焼き鮭に青菜やヨーグルトを添えるだけでも、りっぱな組み合わせになります。
次に鮭を買ったら、いつもの焼き鮭にひと工夫。
旬のいまこそ、おいしく骨を守っていきましょう。
【参考】
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」