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スポーツドリンクと経口補水液、何が違う?真夏の上手な使い分け方

ヘルスコラム

この記事の著者

【氏名】杉本愛季(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

【経歴】
2012年〜2016年 スポーツ会社 管理栄養士として勤務
2016年〜2021年 大学助手(栄養学科)として勤務
2021年〜2024年 病院管理栄養士として勤務
2024年~ フリーランスとして活動

【資格・免許】
2014年 5月 管理栄養士免許 取得
2016年 5月 健康運動指導士資格 取得
2021年 10月 公認スポーツ栄養士資格 取得

夏の必需品といえば、スポーツドリンクと経口補水液。

どちらも「水分と塩分を補う飲み物」というイメージですが、
実は中身も、向いている場面も違います。

「どっちを飲めばいいの?」と迷ったことはありませんか。

今回は、この2つの違いを成分から読み解きながら、上手な使い分け方をお伝えします。

真夏の水分補給、ぜひ参考にしてみてください。

目次

一番の違いは塩分と糖分のバランス

いちばんの違いは、塩分(ナトリウム)と糖分のバランスです。

代表的な製品で、100mlあたりをざっくり比べてみましょう。

  • スポーツドリンク…ナトリウム 約40〜50mg、糖質 約6〜7%
  • 経口補水液…ナトリウム 約115mg、糖質 約2.5%

スポーツドリンクは、経口補水液に比べて糖分が多め。

飲みやすさ”に加えて”運動時のエネルギー源”になるようにこのような組成のものが多いです。

一方の経口補水液は塩分が約2倍多く、糖分は逆に少なめ

水分をすばやく吸収させることを最優先にしているぶん、糖分は控えめとなっています。

経口補水液が”飲む点滴”と呼ばれるワケ

経口補水液のいちばんの特徴は、水分をすばやく体に取り込めること

その秘密が、ナトリウムとブドウ糖の比率です。

小腸には、ナトリウムとブドウ糖をセットで取り込む
「共輸送体(SGLT1)」という仕組みがあります。

この2つがそろうと吸収のスイッチが入り、水もそれに引っぱられるように、

いっしょに取り込まれていきます。

なので、真水だけをたくさん飲むより、塩と糖が少し入っているほうが、水分をスムーズに補えます。

ただし、糖分が多すぎると逆効果になることも

飲み物の中に溶けている糖の量が多くなると、水は体に入るどころか、
腸のほうへ引き出されてしまいます。

なので、経口補水液はあえて糖を控えめにして、水分がスッと吸収されるバランスに整えられています。

知っておきたいスポーツドリンクの2タイプ

ちなみにスポーツドリンクも、浸透圧(体液とのなじみやすさ)で2タイプに分かれます。

  • アイソトニック…体液に近い濃さ。糖質4〜6%で、運動前や運動後にぴったり
  • ハイポトニック…薄めの濃さ。糖質2%前後で、運動中にすばやく水分を届けたいときに向く

よく見かける定番のスポーツドリンクは、多くがアイソトニックタイプ。

運動中の吸収を重視したい人向けに、薄めのハイポトニックタイプも売られています。

ハイポトニックの場合は、パッケージに表記されていることも多いので、
成分表示や用途の表記を見て、用途に合わせて上手に選んでみてください。

結局、いつ・何を飲めばいい?

ここまで分かったところで、それぞれの使い分けをまとめます。

  • 日常の水分補給…食事がしっかり摂れていれば、基本は水や麦茶で十分
  • 運動や屋外の作業でしっかり汗をかくときスポーツドリンク(エネルギー源の糖分も補える)
  • 大量に汗をかいて脱水が気になるとき/熱中症が心配なとき経口補水液
  • 発熱・下痢などで、食事から水分・塩分がとりにくいとき経口補水液

ポイントは、経口補水液は”いざというとき”の飲み物だということ。

塩分がしっかり入っているぶん、日常の水分補給として毎日飲み続けるものではありません。

ふだんは水やお茶、必要な場面で経口補水液、と分けておくと安心です。

暑い夏の時期に限らず、経口補水液は常に1本常備しておくことをおすすめします。

買い置きがないときは、家でも作れる

買い置きがないという時のために、
家にあるもので作れる経口補水液の作り方をお伝えします。

  • …1リットル
  • 砂糖…大さじ3(約30g)
  • …小さじ1/2(約3g)

よく混ぜて、お好みでレモン果汁を少し加えると飲みやすくなります。

スポーツドリンクより、砂糖は控えめ・塩は多めの組成となっています。

ただし、きっちり比率を合わせたいときや、体調がすぐれないときは、

市販の経口補水液のほうが安心なので、手作りはどうしても市販のものが手に入らない時に活用してください。

上手に飲むための工夫・注意ポイント

  • まずは”渇く前に、こまめに”が基本
    どの飲み物でも、一気にではなく少しずつ飲みましょう
  • 持病がある方は成分もチェック
    腎臓や血圧などで塩分を気にしている方は、経口補水液の塩分量にも目を向けて。心配なときはかかりつけ医に相談を
  • 経口補水液はいざという時に活用
    あくまで経口補水液はいざという時のみ、活用しましょう。 

まとめ

似ているようで役割がちがう、スポーツドリンクと経口補水液。

  • ふだん〜運動時は…スポーツドリンク(や水・麦茶)
  • 脱水や体調不良のときは…経口補水液

この違いを知っておくだけで、夏の”もしも”のときに、あわてず選べます。

上手に使い分けて、この夏を元気に過ごしましょう!

【参考】

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「熱中症予防のための水分補給」
  • 環境省「熱中症環境保健マニュアル」
  • 大塚製薬工場「経口補水液 オーエスワン よくあるご質問」