この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

物価高の昨今、「コンビニ弁当も外食も高くなったな」と感じることはありませんか?

「節約のためにお弁当作りを始めたい」と考えている方もいらっしゃるかと思います。

手作り弁当は節約になる上、油や調味料の使用量を調整できるためダイエットにもぴったりです。

今回は、ダイエットのためのお弁当作りのコツをお伝えします。

お弁当作りでダイエットを成功に導くポイント4つ

昼食は1日の中の楽しみでもあり、自分の好物をお弁当に入れたくなるものです。

しかし、好きなものばかり入れたお弁当は、カロリーオーバーの原因になってしまいます。

手作り弁当でダイエットを続けるためには、下記の4つのポイントを押さえることが大切です。

  1. 自分に合った弁当箱のサイズを選ぶ
  2. 主食、主菜、副菜は3:1:2のバランスで入れる
  3. オーブントースターと電子レンジを活用する
  4. 冷凍食品を上手に取り入れる

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

1. 自分に合った弁当箱のサイズを選ぶ

大きめの弁当箱を選んで満腹になりすぎたことや、小さめの弁当箱にしたら物足りず、おにぎりやパンを食べてしまった経験はありませんか?

ダイエットのためのお弁当作りは、弁当箱選びから始まると言っても過言ではありません。

弁当箱の容量は、お弁当のエネルギー量とほぼ同じになります。

600mlのお弁当箱に詰めたお弁当は、600kcal程度になるということです。

お弁当箱の容量は、外側の底面に書いてあることが多いため、チェックしてみてください。

弁当箱の選び方は、朝と夕にとる食事量を考慮すると、カロリーオーバーを防ぎやすくなります。

1日のエネルギー量が2000kcalの場合、3食均等に分けると、1食あたりのエネルギーは約666kcalです。

このエネルギー量に合わせた弁当箱選びの例として、朝食をしっかり食べる方は600ml、朝食の量が少ない方は700mlにする方法があります。

昼食に摂りたいエネルギー量に合ったサイズのお弁当箱を選びましょう。

1日に必要なエネルギー量については、下記の記事をご覧ください。

2. 主食、主菜、副菜は3:1:2のバランスで入れる

「栄養バランスの良いお弁当を作ろう」と思っても、何をどれくらい入れたら良いか分からず困ったことはありませんか?

弁当箱には、主食(ご飯、麺、パン)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品のおかず)、副菜(野菜、きのこ、海藻類のおかず)のバランスを、3:1:2のバランスで詰めることで、自然と栄養バランスが整います。

ダイエットのために食物繊維を多く取り入れたい場合は、以下の方法を取り入れると更に良いでしょう。

  • ご飯に玄米、雑穀、もち麦などを混ぜる
  • 加熱や塩もみでかさを減らした野菜を入れる
  • カットわかめを水分が出やすいおかずの下に入れる

食物繊維は、腸内環境を整えて便通を改善する上に、食後の血糖値の急上昇を抑え、コレステロールを体外に出しやすくする働きがあります。

どれも手軽にできる方法なので、ぜひお試しください。

3. オーブントースターと電子レンジを活用する

お弁当おかずの定番である唐揚げ、コロッケ、春巻きなどの揚げ物は、ダイエット中は控えたいものです。

このような「ご褒美おかず」はたまの楽しみとして、普段は油を控えたおかずを中心にしましょう。

トースターと電子レンジを活用して油を使わずに調理すると、手軽にヘルシーメニューを作ることができます。

今回はお弁当にぴったりのレシピを2つ紹介します。

<ブロッコリーとチーズの肉巻き>

栄養成分(1食あたり):エネルギー 157kcal たんぱく質17.6g 脂質9.5g 糖質 0.8g 食物繊維 1.7g  食塩相当量 0.5g

トースターで作る肉巻きは、油を使わない上、転がさなくても全体に火が通るため肉がはがれにくいメリットがあります。

断面を見せるようにお弁当箱に詰めれば、きれいな緑色が見えて彩りが良くなりますよ。

材料(2人分)
食材分量
豚もも薄切り肉4枚
冷凍ブロッコリー4房
スライスチーズ(溶けないタイプ)2枚
少々
コショウ少々

作り方

(1) 豚もも薄切り肉に、半分に切ったスライスチーズとブロッコリーを乗せ、包み込むように巻いてからギュッと握り、塩コショウを振る。
(2) アルミホイルを2枚重ねて軽く丸めてから伸ばし、端を立てて深皿のようにする。
(3) アルミホイルに1を乗せてオーブントースターで5分加熱し、裏返して更に5分加熱する。
(4) 加熱具合を確認し、加熱不足の場合は様子を見ながら追加で加熱する。
(5) 半分に切り、冷ました後、お弁当箱に詰める。

<鶏むね肉とほうれんそうのケチャップ和え>

栄養成分(1食あたり):エネルギー123kcal たんぱく質19.2g 脂質1.7g 糖質 8.5g 食物繊維 1.3g  食塩相当量 1.7g

この1品を加えるだけで、肉と野菜が同時にとれる上に、赤色と緑色で彩りの良いお弁当になります。

パサつきがちな鶏むね肉をしっとり仕上げるためには、片栗粉をまぶすことがポイントです。

材料(3人分)
食材分量
鶏むね肉(皮なし)1枚
冷凍ほうれんそう100g
片栗粉大さじ1
顆粒コンソメ小さじ1
醤油小さじ1
はちみつ小さじ1
ケチャップ大さじ2

作り方

(1) 鶏むね肉は、全体にフォークで穴を開け、そぎ切りにし、片栗粉をまぶす。
(2) 1と調味料を耐熱容器に入れて混ぜ合わせ、肉が重ならないように広げる。
(3) ふんわりラップをかけて600Wの電子レンジで3分加熱する。
(4) 冷凍ほうれんそうを加えて混ぜ合わせ、ラップをかけずに2分加熱する。
(5) 冷ました後、お弁当箱に詰める。

冷凍食品を上手に取り入れる

「お弁当は全て手作りしなければ」と気合十分で取り組むのも良いですが、長く続けるためには手間を抜くことも大切です。

お弁当用の冷凍食品が冷凍庫にあると、買い物に行けなかった時や調理する時間が無い時に活躍します。

ダイエット中には、つくね、ひじきの煮物、きんぴらごぼうなどの冷凍食品がおすすめです。

また、冷凍の枝豆も、ちょっとした隙間を埋めるのに役立ちます。

自身で調理したチキンソテーや鮭の塩焼きなどのおかずを小分けにして冷凍しておくのも良いでしょう。

まとめ

お弁当作りは大変ですが、節約やダイエットへの恩恵が大きいため、続けていきたいものです。

電子レンジやトースターを使った手軽な調理方法や、冷凍食品を取り入れて、力を抜いたお弁当づくりを始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

NPO法人 食生態学実践フォーラム「3・1・2弁当箱法」
https://shokuseitaigaku.com/bentobako

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年