この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

「今までと食事量は変わっていないのに太りやすくなった」と感じたことはありませんか?

50代はホルモンバランスが変わる年代であり、それによる体の変化にお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

今回は、50代女性特有の悩みを解決し、健康的に痩せる秘訣を紹介します。

50代女性のダイエットが難しい理由

50代に入ると、今までよりもエネルギー代謝や筋肉量が落ちやすくなります。

それによって消費エネルギー量が小さくなり、今までと食事量が変わらなくても、体重が増えやすくなるのです。

女性にとって50代頃は、更年期症状によって感情コントロールの難しさや体の不調を感じることが増える時期です。

更年期とは、閉経の前後5年ずつの10年間を指します。

閉経の時期には個人差がありますが、閉経年齢の平均は50.5歳です。

そのため、更年期の目安は45歳から55歳頃となります。

更年期では、女性ホルモンの減少により下記のような症状が出ることがあります。

  • 疲れやすくなる
  • 肩こり
  • 腰痛
  • 手足の痛み
  • 汗の量が増える
  • イライラしやすくなる

症状の程度は個人差がありますが、体や精神の不調によってストレスを感じる方もいるでしょう。

他にも仕事や子育てによる忙しさや人間関係など、50代女性を取り巻くストレスの要因はたくさんあります。

50代のダイエットは、更年期症状による運動の難しさやストレスを解決することが成功の鍵です。

これらの問題を解決するダイエットの秘訣を紹介します。

50代女性が健康的に痩せるための秘訣3つ

50代女性のダイエットは、長期戦です。

短期間で痩せようとすると、無理な運動や食事制限に繋がり、体調不良の原因になります。

また、短期間で成果を得られないことがストレスの原因になることもあります。

50代以降は、1年後を見据えて、継続可能な食事や運動に取り組むことがポイントです。

健康的な体づくりを目標とし、下記の3つの秘訣を取り入れましょう。

  1. 立った姿勢で過ごす時間を増やす
  2. 食事は空腹を満たすことよりも、足りない栄養素を補うことを意識する
  3. リフレッシュ目的のお出かけの機会をつくる

それぞれの詳しい内容を紹介します。

1. 立った姿勢で過ごす時間を増やす

更年期に起こる、疲労感、ほてり、腰や手足の痛みによって運動に支障をきたしている方も多いかと思います。

ウォーキングや筋トレをすることが難しい方は、まずは「立っている時間を増やす」ことから始めてみましょう。

疲れやすさから、自宅ではソファーでゆっくりしたり、横になりながら動画を見たりする時間が多い方は、消費エネルギー量が少なくなりがち。

立っている姿勢は、寝ている状態と比べて消費エネルギー量が3割アップします。

立つことが辛い方は、座った状態で良い姿勢を保つこともおすすめです。

姿勢を良くすることで、お腹や背中の筋肉を使うことになります。

日常生活の中で消費エネルギー量を増やすことが、ダイエットを続けるための秘訣です。

部屋に「姿勢よく」「立って」などと書いた張り紙をすると、忘れにくくなり意識づけになりますよ。

2. 食事は空腹を満たすことよりも、足りない栄養素を補うことを意識する

「今までと食事量は変わらないのに痩せない」という方におすすめの方法です。

「お腹が空いたから食事をする」という意識を「自分に必要な栄養を摂るために食事をする」意識に変えましょう。

手っ取り早く空腹を満たそうとする食事は、糖質や脂質が多くなりがち。

そうすると、必要な栄養素が不足する一方で、エネルギーは過剰となり、太りやすくなってしまいます。

50代女性に不足しがちな栄養素は、食物繊維、ビタミンA、ビタミンD、カリウム、カルシウムです。

その中でも、特にダイエットや生活習慣病の予防には、食物繊維を十分に補うことが大切。

食物繊維の多い食品については、下記の記事をご覧ください。

健康的な食事の基本は主食、主菜、副菜を揃えた食事を腹八分目にとることです。

これに加えて、不足しがちな栄養素を豊富に含む食品を積極的に取り入れましょう。

食物繊維が多い食品の中でもキウイフルーツは、甘いものが食べたくなった時のお菓子の代わりにもぴったりですよ。

3. リフレッシュ目的のお出かけの機会をつくる

更年期のダイエットを成功させるためには、ストレスを発散させることが大切です。

おいしいものを食べることやお酒を楽しむこと以外のストレス発散法を選択肢に入れることで、ダイエットの成功率が上がります。

特に、活動量を増やすリフレッシュ行動がおすすめです。

ストレスを発散しながら、ダイエットにもなるおすすめの方法が「お出かけの機会を増やすこと」。

家の外に出ることは、歩数を増やす絶好のチャンスです。

さらに、人目に触れる機会を増やすことで自然と身なりに気を遣うようになり、ダイエットのモチベーションを維持しやすくなります。

秋は、紅葉狩りなどのレジャーが楽しめる行楽シーズンです。

楽しみながら運動量を増やすことができるでしょう。

他にも、大型ショッピングモールは、雨の日でも買い物をしながらたくさん歩くことができるおすすめスポットです。

まとめ

50代は代謝や筋肉量が落ちやすく、更年期症状によってダイエットを続けることが難しい年代です。

健康でいることを最優先し、姿勢良く過ごす時間を増やしたり、食事への考え方を見直したりすることから始めましょう。

行楽シーズンの秋は、運動量を増やす絶好のチャンスです。

この機会にリフレッシュしながら消費エネルギー量を増やしましょう。

参考資料

厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト 更年期
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menopause.html

身体活動・運動の単位
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html

令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf