この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

サプリメントでも人気の食物繊維はダイエットに欠かせない栄養素です。

今回は食物繊維の役割や豊富に含まれる食材を紹介します。

食物繊維とは?

炭水化物の一部で、人の消化酵素では消化できない栄養素が食物繊維です。

「炭水化物」と聞くと、摂りすぎると太るイメージがあるかもしれませんが、エネルギー源となる「糖質」と「食物繊維」の両方を含んでいます。

食物繊維には水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。

水溶性食物繊維には下記のような効果があり、血糖値やコレステロールが気になる方は積極的に摂りたい栄養素です。

  • 食後血糖値の抑制
  • コレステロールを吸着し、体外への排泄を促す

不溶性食物繊維には、水分を吸収して便のかさを増やし、大腸を刺激することで便秘を予防する働きがあります。

また、どちらの食物繊維も大腸の善玉菌のエサになり腸内環境を改善する効果があります。

ダイエットや生活習慣病予防において積極的に摂りたい栄養素ですが、意識して摂らないと不足しがちです。

しかし、サプリメントで多量に摂りすぎてしまうとミネラルなどの吸収を妨げてしまいます。

食物繊維の多い食品を積極的に取り入れて、サプリメントは補助的に使うことがおすすめです。

食物繊維の目標量

食物繊維の目標量は年齢や性別によって異なり、成人では下記の量が1日の目標量です。

18~64歳:男性21g以上 女性18g以上
65歳以上:男性20g以上 女性17g以上

令和元年の国民健康栄養調査の食物繊維摂取状況の平均値は男性19.9g、女性18.0gであり、男性が1gほど不足しています。

主食量が極端に少ない方や、野菜の摂取量が少ない方は食物繊維不足になっている可能性があります。

自身が食物繊維を十分摂れているか気になる方におすすめのチェック方法があります。

それは、「1日1回規則的な排便があるか」です。

毎日お通じが出ない方や、便量が少ないと感じる方は食物繊維不足が原因かもしれません。

1日プラス3~4gの食物繊維を補うことを目標にしましょう。

食物繊維を摂りたい時のおすすめ食品

食物繊維は、野菜・きのこ・海藻・穀類・豆・果物などの植物性の食品に多く含まれます。

食物繊維を効率的に摂れるおすすめの食材は下記の11種類です。

<食物繊維が多く含まれる食品と食物繊維量>

  1. じゃがいも(皮付き)100g 9.8g
  2. 生おから50g 5.8g
  3. ゆでそば200g 5.8g
  4. ブロッコリー1/4株(90g) 4.6g
  5. グリンピース(ゆで)40g 3.4g
  6. アボカド1/2個(60g) 3.4g
  7. ライ麦パン 6枚切り1枚 3.4g
  8. 水菜1/2袋(100g) 3.0g
  9. さつまいも(皮付き)100g 2.8g
  10. ほうれんそう1/2袋(100g) 2.8g
  11. 糸引き納豆1パック(40g) 2.7g

上記のいずれかの食品を1つ取り入れると、プラス3gに近い食物繊維量を摂ることができます。

特に、野菜や果物は皮の部分に食物繊維が多く含まれるため、上記以外の食品も皮ごと食べられるものを選ぶと良いでしょう。

食物繊維の取り入れ方のコツ

おすすめ食品で紹介したもの以外でも、植物性の食品を少しずつ取り入れれば「ちりも積もれば山となる」ように食物繊維の摂取量を増やすことができます。

下記の3つの方法を取り入れると、目標量の食物繊維が摂りやすくなります。

  1. 主食量を減らしすぎない
  2. 茶色い主食を選ぶ
  3. 毎食副菜を食べる

1. 主食量を減らしすぎない

「ご飯を食べると太るから」と思って主食を抜いている方は要注意です。

主食のご飯には糖質だけでなく食物繊維も含まれています。

主食を極端に減らしてしまうと、食物繊維まで不足してしまう可能性があります。

満腹感が得られずに間食したくなってしまうことにも繋がるため、ダイエット中も主食をとることがおすすめです。

2. 茶色い主食を選ぶ

「主食を食べると太りそうで心配」と思う方におすすめしたい主食の選び方があります。

それは、玄米・雑穀米・ライ麦パン・そばなどの茶色い主食を選ぶことです。

白米や食パン、うどんなどの白い主食は精製された穀類が主原料であり、食物繊維量が少なめです。

茶色い主食は未精製の穀類が使用されており、食物繊維やビタミン・ミネラルが残っています。

たくさんの野菜を食べるのは大変ですが、主食から食物繊維を取り入れると量の負担が少ないため取り入れやすいですよ。

3. 毎食副菜を食べる

朝昼晩、野菜・きのこ・海藻を使った料理を取り入れることで、食物繊維を補いやすくなります。

下記のような、包丁やまな板を使わずそのまま食べられる食品が取り入れやすいですよ。

<調理不要な食材と食物繊維量>

  • ミニトマト5個(100g) 1.4g
  • サラダ用カット野菜90g 1.6g
  • めかぶ40g 1.4g
  • あかもく10g 0.6g
  • カットワカメ1g 0.4g

あかもくとカットワカメは食物繊維量が少なく見えるかもしれませんが、少し取り入れるだけで食物繊維量を確保できる優秀な食材です。

ぜひ取り入れてみてください。

まとめ

食物繊維はダイエットや生活習慣病予防に欠かせない栄養素です。

「野菜をたくさん食べるのは大変!」と思う方でも、主食の選び方を工夫することで効率的に食物繊維を補給できます。

もちろん、野菜・海藻・きのこを積極的に取り入れることも大切です。

自分に合った方法で食物繊維を取り入れてみてくださいね。