この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

40代に入ってから痩せにくくなったという方もいれば、痩せた後に頬がこけて老けた印象になったという方もいるのではないでしょうか?

特に女性は、更年期の体調不良によって、ダイエットがうまくいかないと感じることがあるかもしれません。

今回は、40代女性が健康的にダイエットするためのポイントを紹介します。

40代女性のダイエットの課題

「年を重ねるごとに痩せにくくなった」と感じる一因は、基礎代謝量が落ちるためです。

基礎代謝量とは、生きていく上で必要な最低限のエネルギー消費量のことです。

エネルギー消費量とエネルギー摂取量のバランスで、体重は増減します。

エネルギー消費量が、エネルギー摂取量よりも上回ることで、体重は落ちるのです。

基礎代謝量が少なければ、1日のエネルギー消費量が小さくなり、体重が落ちにくくなります。

「食べる量が増えていないのに太った」という方は、基礎代謝が落ちて1日の消費エネルギー量が少なくなったことが原因である可能性があります。

また、40代頃から、筋肉量も減少し始めます。

筋肉量が落ちることで、運動時の消費エネルギー量が落ちてしまい、痩せにくくなってしまいます。

40代は筋肉量を落とさないための、チャンスの期間です。

筋肉量が大幅に落ちる前に、食事や運動で筋肉量を維持しましょう。

また、40代女性の変化において、更年期が大きく影響します。

更年期とは、閉経の前後5年ずつの10年間の期間を指します。

閉経の時期には個人差がありますが、閉経年齢の平均は50.5歳です。

そのため、更年期の目安は45歳から55歳頃となります。

更年期では女性ホルモンの減少により、下記のような症状が出ることがあります。

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 手足の痛み
  • 汗の量が増える
  • イライラすることが増える
  • 疲れやすくなる

上記の症状に加え、仕事や子育てによる忙しさも重なり、運動する時間を確保できない場合もあります。

基礎代謝量や筋肉量の減少と、運動する機会が少ないことが、40代女性のダイエットにおける課題です。

40代女性のダイエットのポイント2つ

40代女性が健康的に痩せるためには、筋肉量の減少や、更年期症状や忙しさによる運動不足を解決することが、鍵となります。

40代女性のダイエットのポイントは下記の2つです。

  1. 流行りのダイエットに惑わされない
  2. 普段の生活の中で運動量を少し増やす

それぞれの詳しい内容を紹介します。

1. 流行りのダイエットに惑わされない

過去に、糖質制限やプチ断食などのダイエット方法で痩せた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

流行りのダイエット方法は、短期間で減量できると話題になることが多く、試してみたくなりますよね。

しかし、極端な食事制限は、筋肉量が落ちる原因になります。

筋肉量が落ちてしまっては、消費エネルギー量が減って痩せにくくなる上に、やつれた印象になってしまいます。

40代のダイエットのテーマは「健康的な生活習慣を継続すること」です。

体型や体重の変化は、日々の生活習慣の積み重ねによるもの。

「細い体型」を求めるのではなく、「健康的な体型」を目指すことで、老けた印象になることを防げます。

健康的な食事の基本は、主食(ご飯、パン、麺など)、主菜(魚、肉、卵、大豆製品)、副菜(野菜、きのこ、海藻、こんにゃく)を組み合わせたものです。

必要な食事量は、運動量や体格によって異なりますが、主食は普通盛り(ご飯なら150g程度、麺なら1玉)であれば摂り過ぎの心配はありません。

主食を抜くと、すぐに空腹となり、間食したくなる原因になります。

主菜と副菜は油の使用量が多くなりすぎないようにすれば、カロリーオーバーを防げますよ。

自炊する方は、1人1食あたりの油の使用量は小さじ1杯までを目安にしましょう。

ダイエットにおけるエネルギー量の考え方や、減量プランについては下記の記事をご覧ください。

2. 普段の生活の中で運動量を少し増やす

ダイエットにおいて、運動で消費エネルギー量を増やし、筋肉を落とさないようにすることは大切です。

しかし、更年期症状や忙しさによって、運動することが難しい場合もありますよね。

運動する機会を持つことが難しい場合は、普段の生活の中に運動の要素を取り入れることをおすすめします。

少ない負担で取り組める、手軽な運動の例です。

  • こまめに掃除機をかける
  • 徒歩移動を増やす
  • 階段を積極的に使う
  • 信号待ちや歯磨き中にかかとを上げ下げする

掃除などの家事も消費エネルギー量をアップする運動の1つです。

家中を動き回る家事をこまめにすることで、1日の運動量を増やすことができます。

時間に余裕がある時は、自動車や自転車で出かけるところを徒歩移動に変えることもおすすめです。

忙しくて時間がない方は、エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使うと、待ち時間の短縮にもなりますよ。

また、信号待ちや歯磨きなどの動きの少ない生活時間に、ちょっとした運動を取り入れることもおすすめです。

まとめ

年齢を重ねると、体重や体型は一朝一夕では変えられません。

短期間で減量しようとせず、続けられそうな食事や運動に取り組むことで、数か月後の変化が期待できますよ。

参考資料

厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~ 加齢とエネルギー代謝
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-07-002

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット サルコペニアとは
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/sarcopenia-about.html