この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

スーパーやコンビニで買い物する際、パッケージに惹かれて商品を買ってしまうことはありませんか?

よく見ずに買ってしまうと、パッケージから予想した内容と実物が異なる場合があります。

パッケージだけではなく、食品表示を確認することでどのような商品か詳しく知ることができますよ。

食品表示とは

市販の加工食品は、見た目だけではどのような材料からできているのか分かりません。

パッケージされた加工食品には、その商品がどのような特徴を持つのかが分かるよう「食品表示」を記載しています。

食品表示には、名称、原材料名、添加物などがあり、特に注目したいのが原材料表示です。

原材料表示は、使用した原材料を記載したもので「重量が多い順に並べられていること」がポイントです。

添加物は原材料とは項目を分けて記載されている場合もありますが、原材料の中にスラッシュで区分して記載している場合もあります。

特にパッケージに「〇〇豊富」「〇〇使用」と表記されているものは、ぜひ食品表示をチェックしてみてください。

自分が想像した量が実際に含まれているかを確認することができますよ。

パッケージを見て早とちり!?原材料表示で分かること

パッケージからのイメージと実際が異なる例を4つ紹介します。

「知らずに買っていた!」という方もいらっしゃるかもしれません。

1.「プラスオリゴ糖」と表記されたヨーグルト

パッケージにオリゴ糖と書かれていると、甘味は全てオリゴ糖由来だと思う方もいるのではないでしょうか?

この商品の原材料表示は、下記のようになっています。

「乳製品、砂糖、ミルクオリゴ糖(ラクチュロース)」

実は、オリゴ糖よりも砂糖が多く加えられているのです。

さらに、栄養成分表示には「炭水化物14.9g」「ラクチュロース1.0g」と記載されていました。

「パッケージから想像したオリゴ糖の量より実際は少なく、思った以上に砂糖が加えられている」と思ってしまいそうな例です。

他にも、「米粉使用」と表記されたパンに小麦粉が一番多く使われていたり、「発酵バター使用」と書かれたクッキーにバターよりも多い量のショートニングが使われたりすることがあります。

「〇〇使用」の表示は「多く含まれている」という意味ではないことを念頭に置きましょう。

2.「1食分の栄養」と表記されたブラウニー

最近はビタミンやミネラルを強化した菓子類をよく見かけますよね。

「これだけ食べれば栄養面はバッチリ!」と考えてはいませんか?

この商品の原材料の上位3つは小麦粉、砂糖、ショートニングでした。

一見、健康に良さそうに思う商品ですが、生活習慣病予防において摂りすぎたくない砂糖やショートニングが多く使用されています。

必要なビタミンやミネラルと一緒に、糖類やトランス脂肪酸も摂ってしまうことになるので、ご注意ください。

3.「オレンジ」や「りんご」と表記されたドリンク

パッケージに果物の名前やイラストが描かれた飲料を見て、果物だけで作られたジュースだと思い込んでいませんか?

それは、オレンジやりんごのフレーバーを付けた、果汁が少ない飲料かもしれません。

ジュース類は果汁の含有量によって、名称が異なります。

果汁の含有量名称
果汁100%ジュース
果汁10%以上100%未満果汁入り飲料
果汁10%未満その他の飲料
無果汁清涼飲料水

パッケージ裏の食品表示から、ぜひ「名称」をご確認ください。

また、名称が「ジュース」でパッケージに果汁100%と表示されているものも要注意です。

実は、重量の5%以内(オレンジジュースの場合は10%以内)の糖類や添加物を加えたものも「果汁100%」と表示できます。

果汁だけで作られたジュースを選びたい時は、原材料表示を確認すると安心です。

4.「国内製造」と表記されたパン

国産の食品を選びたいという方は、この表示を見て安心するかもしれません。

しかし、原材料まで国産であるかはこの表記だけでは分かりません。

パンは国内の工場で製造している一方、小麦粉などの原材料は輸入したものである可能性があります。

原材料表示に「小麦粉(国内製造)」と表示されている場合も同様です。

小麦から小麦粉にする工程は国内で行っており、原料となる小麦は海外のものかもしれません。

主原料となるものは、原材料表示を見ると産地が記載されています。

「国内製造」は国産の原材料を使っているとは限らないことを覚えておきましょう。

まとめ

食品のパッケージは、消費者が「買いたい!」と思うようなデザインやキャッチフレーズで作られています。

パッと見たイメージと実物が異なる場合もあるため、食品表示を確認してから購入することがおすすめです。

参考資料

知っておきたい食品の表示(令和7年4月版・消費者向け)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/assets/food_labeling_cms201_250512_01.pdf

加工食品の原料原産地表示制度
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/assets/food_labeling_cms_221115_01.pdf