この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

ダイエット中は総菜やコンビニ弁当を控えた方が良いと思われがちですが、手料理にはないメリットがあります。

それは、栄養成分表示によって栄養量が把握できることです。

また、「ゼロカロリー」のゼリーやドリンクを飲んだ時に、「しっかり甘さを感じるのはどうしてだろう?」と思ったことはありませんか?

その秘密は栄養成分表示に隠されています。

今回は、ダイエット中にチェックしていただきたい「栄養成分表示」について紹介します。

栄養成分表示とは

包装された加工食品の栄養成分量を記載したものを「栄養成分表示」と呼びます。

以下の5つの栄養素は、生きていく上で必要であるとともに健康の維持・増進に深く関わるため、表示が義務付けられています。

  • 熱量(エネルギー)
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ナトリウム(食塩相当量)

他にも、生活習慣病予防に重要な飽和脂肪酸と食物繊維は表示を推奨されています。

また、以下の栄養素は任意で表示される項目です。

  • 糖質・糖類
  • ビタミン
  • ミネラル
  • コレステロール
  • n-3系脂肪酸
  • n-6系脂肪酸

1本500mlの清涼飲料水の表示例を見てみましょう。

必ずチェックしてほしいポイントは「どのくらいの量に対する栄養量なのか」です。

表示例の場合は右上に記載された「100ml当たり」の部分にあたります。

この清涼飲料水を1本全部飲んだ場合のエネルギー量は230kcalです。

ぱっと見ただけで「低カロリーだ」と思っても、実際はそうでないことがあるのでご注意ください。

栄養成分表示は一般的にパッケージの裏側に記載されていることがほとんどです。

意識してチェックしないと、自分が思った以上に高カロリーなものを食べてしまったということも。

弁当などの裏側を確認しづらい商品は、コンビニ各社のホームページに栄養成分量が公開されているので事前に確認するのもひとつの方法です。

「ゼロカロリー」と表示されたものにもカロリーはある!?栄養強調表示の意味について

ダイエット中は摂取エネルギー量を抑えながら甘いものも楽しみたいですよね。

ゼロカロリーと表記されたジュースやゼリーを取り入れている方もいらっしゃるかと思います。

実は、ゼロカロリーと表示された商品でも、エネルギーを持っていることを知っていますか?

栄養成分が多いことや少ないことを強調する場合の表示基準があり、食品100g(または100ml)あたり5kcal未満の場合にゼロカロリーと表示できるのです。

そのため、100mlあたり4kcalのジュースもゼロカロリーと表示することができ、それを500ml飲んだ場合は20kcalとなります。

0kcalと思ってたくさんとってしまうと、予想以上に摂取エネルギーが多くなってしまうため注意しましょう。

他にも、「低カロリー」や「カロリーハーフ」などエネルギー量が低いことを表示している商品もあります。

また、エネルギーだけでなく「脂質70%オフ」「糖類ゼロ」「減塩」など栄養素を含まないことや少ないことを表示する場合も、下記のような基準があります。

パッケージに記載された言葉からのイメージと実際に含まれる栄養量が異なる場合があります。

こちらは、「糖類ゼロ」と表示されたアイスクリームの栄養成分表示です。

これを見ると、糖質が11.0g含まれていることが分かります。

砂糖やブドウ糖などの「糖類」は含まれていませんが、でんぷんや糖アルコールなどの「糖質」を含んでいるのです。

さらにチェックしたいポイントは原材料表示です。

これを見ることで、何に由来する糖質なのかを確認できます。

このアイスクリームには、マルチトール、還元水飴、ラクチトールの記載がありました。

糖類を使用せず、糖アルコールで甘味をつけていることが分かります。

糖類は糖質に含まれるため、「糖質ゼロ」の表記であれば糖類も含めてほとんど入っていません。

糖類と糖質の違いについては、下記の記事をご覧ください。

摂取エネルギー量を抑えながら甘いものを楽しめるゼロカロリーや低カロリーのスイーツでも、摂りすぎは禁物です。

どうしても甘いものが欲しくなった時に楽しむ程度にとどめましょう。

まとめ

食品のパッケージを見ただけでは分からない情報が、栄養成分表示に隠れています。

ダイエット中の方はチェックして損はありません。

スーパーやコンビニを利用する際には、ぜひ栄養成分表示を確認してみてくださいね。

参考資料

消費者庁 栄養成分表示について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation

消費者庁 【消費者の方向け】栄養成分表示の活用について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/consumers

東京都保健医療局 栄養成分表示
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_summary.html