この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

健康のために野菜を食べたほうが良いと分かっていても、毎日続けるのはなかなか難しいですよね。

近年、手軽に野菜が摂れると表記された野菜ジュースやサプリメントが注目を集めています。

しかし、「1日分の野菜」と書かれたものでも1日分の野菜の栄養が全て入っている訳ではありません。

「1日分の野菜を使用して製造されたジュース」という意味であることがほとんどです。

今回は、無理なく野菜を取り入れるためのポイントを紹介します。

野菜はどのくらい摂れば良いの?

日本の健康づくり運動である「健康日本21(第二次)」は、1日にとる野菜の目標量は350g以上と定めています。

これは、生活習慣病を予防し、毎日を健康に過ごすために必要なビタミン・ミネラル・食物繊維を摂るために必要な野菜の量です。

野菜は種類によって含まれる栄養素が異なるため、十分な量を摂るだけでなく種類選びも大切です。

不足しがちなカルシウムの補給源として、1日350gの野菜のうち「緑黄色野菜」を120g以上とることが健康日本21の目標に含まれています。

緑黄色野菜とは、人参やブロッコリーなど色の濃い野菜のことで、カロテンを豊富に含むことが特長です。

カロテンには抗酸化作用があり、動脈硬化の原因になる活性酸素から体を守ってくれる働きがあります。

緑黄色野菜に限らず、野菜には色や香りの成分に抗酸化作用をはじめとした健康効果があります。

健康食品やサプリメントからは得られない、目に見えない栄養素が取り入れられることも野菜をとるメリットです。

令和5年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の野菜摂取量は平均256gでした。

日本人が野菜をとる量は年々減ってきており、目標量より100gほど不足しています。

これは、レタス1/3玉と同等の量です。この量を毎日取り入れるのは大変ですよね。

不足している100gの野菜を無理なく補う方法をお伝えします。

1日の不足分100gの野菜を取り入れるポイント

野菜をとろうと思った時に、生野菜のサラダを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

レタスやキャベツなどの葉野菜のサラダを100gとろうとすると、ボウルいっぱいの量になります。

このボリュームでは食べ切るのが大変ですよね。

下記の4つのポイントを意識すると、無理なく野菜を取り入れられますよ。

  1. 1品で主食・主菜・副菜を兼ね備えたメニューを取り入れる
  2. 加熱した野菜を取り入れる
  3. 包丁いらずの野菜を取り入れる
  4. コンビニやスーパーの総菜・冷凍食品・カット野菜を取り入れる

それぞれの詳しい方法を紹介します。

1.1品で主食・主菜・副菜を兼ね備えたメニューを取り入れる

「野菜料理を1~2品プラスするのは大変」と感じる方におすすめの方法です。

中華丼や野菜をトッピングしたカレー、タンメンなど1品で主食・主菜・副菜が含まれた料理なら、1品で野菜を補うことができます。

メニューの組み合わせを考える手間がないこともメリットの1つです。

品数を増やすと予算オーバーになりがちな外食の際にもぜひお試しください。

2.加熱した野菜を取り入れる

野菜は生で食べることが多いという方に試していただきたい方法があります。

それは、野菜を加熱してかさを減らすことです。

ビタミンCなどの熱に弱いビタミンは減ってしまいますが、食物繊維などの熱に強い栄養素は十分補えます。

特に小松菜やほうれん草などの葉物野菜は、加熱して水気を切るととても小さくなりますよ。

葉物野菜は1袋200g程度のものが多いため、半分くらい食べると100gに相当します。

レンジ加熱や汁物に加える方法が手軽でおすすめです。

3.包丁いらずの野菜を取り入れる

野菜を食べようと考えた時に、調理や洗い物が面倒だなと思うことはありませんか?

そんな時は、ミニトマト、ベビーリーフ、サラダ用のカット野菜、もやしがおすすめです。

洗うだけで食べられたり、レンジ加熱で手軽に取り入れられるため、野菜をとるハードルが下がります。

大きさにもよりますが、ミニトマトは7粒ほどで100gに相当します。

カット野菜はパッケージに重量が記載されているのでチェックしてみてください。

コンビニでも手に入るので、帰宅途中に購入して帰ってすぐに食べられますよ。

4.コンビニやスーパーの総菜・冷凍食品・カット野菜を取り入れる

最近はコンビニやスーパーでも野菜のお惣菜が豊富に揃っています。

惣菜は内容量も記載されているので、どのくらいの野菜を摂れるかが分かりやすいことも魅力です。

ほうれん草やブロッコリー、インゲンなどの冷凍野菜は常備しておくと、レンジで加熱するだけで野菜料理を1品補えます。

カット野菜はサラダ用や炒め物用、鍋用など種類が増えていて、色々な料理に活用できますよ。

まとめ

野菜は不足しがちと分かっていても、毎日補うのは難しいですよね。

野菜量を十分取り入れるためには、汁物やお浸しなどの加熱調理したものがおすすめです。

カット野菜やミニトマトなどの調理の手間が少ないものも、手軽に野菜を補えますよ。

参考資料

健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 野菜、食べていますか?
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-015

令和5年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf

農林水産省 緑黄色野菜とはどのようなものですか。
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2208/01.html