この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)
【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動
【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得
インフルエンザが猛威をふるう中、マスクや手洗いなどで感染症対策をしている方も多いのではないでしょうか?
喉の痛みや鼻水、咳などの風邪症状は、日常生活にも支障をきたすため、できれば防ぎたいものですよね。
今回は、免疫力を高めたい時に摂りたい栄養素について紹介します。
免疫力を高めたい時に摂りたい栄養素3選
風邪の流行期に入ると、「食事を整えて免疫力を高めたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
私たちがウイルスと戦うパワーは、日々の食事から摂る栄養素が元となっています。
健康的な食事といえば、主食、主菜、副菜を揃えることが基本です。
さらに免疫力を高めたいと考えている方には、以下の栄養素を意識的に取り入れることをおすすめします。
- ビタミンD
- 亜鉛
- プロバイオティクス
それぞれの栄養素が免疫力を支えてくれる理由を解説します。
1. ビタミンD
感染症シーズンの冬に不足しやすい栄養素がビタミンDです。
ビタミンDは日光に当たると皮膚で作り出せるため、天気の良い日に薄着で出かける季節には不足の心配はありません。
しかし、冬になると厚着になり、肌が日光に当たりづらくなるため、食事から積極的にビタミンDを取り入れなければ不足してしまうのです。
ビタミンDは、マクロファージと呼ばれるウイルスや細菌をやっつけてくれる免疫細胞を活性化する働きがあります。
また、ビタミンDを十分摂っている人は感染症にかかりづらいという研究結果もあり、風邪シーズンには積極的に摂りたい栄養素です。

ビタミンDを多く含む食品には、しらす干し、サバ、ブリ、きくらげなどがありますが、ダントツで多い食品が鮭です。
1日のビタミンDの摂取目安量は男女ともに9.0μgであり、鮭の切り身1切れには26.4μgのビタミンDが含まれています。

鮭は、おにぎりなどコンビニで手軽に買える食品であることも魅力です。
また、ブリは冬が旬であり、脂が乗っておいしくなっているため、スーパーで見かけた際はぜひ手に取ってみてください。
2. 亜鉛
ミネラルの1種である亜鉛は、免疫細胞の働きを正常に保つサポートをしています。
また、亜鉛は炎症を抑える働きもあり、感染症からの防御に加え、回復にむかう手助けもしてくれる栄養素です。

免疫力の土台づくりに欠かせない亜鉛ですが、不足しやすい栄養素でもあります。
亜鉛補給に適した食品は限られているため、意識的に取り入れる必要があるのです。
亜鉛を特に多く含む食品は、ずわいがに、牡蠣、牛肉、ホタテですが、日常的には取り入れづらいものばかりですよね。
普段の生活で亜鉛を補うには、下記の食品を毎日コツコツ取り入れることをおすすめします。
<亜鉛を含む食品の目安量と亜鉛含有量>
| 食品名 | 1食の目安量 | 亜鉛含有量(mg) |
|---|---|---|
| とうもろこし | 1本 | 1.8 |
| カシューナッツ | 18粒 | 1.7 |
| がんもどき | 1個(100g) | 1.6 |
| 玄米飯 | 150g | 1.5 |
| いわしの味付け缶詰 | 1缶(70g) | 1.3 |

上記の食品の中でも特におすすめの食品は、玄米です。
毎食とる主食を玄米ご飯にすることで、亜鉛補給が継続しやすくなりますよ。
玄米が苦手な方は、白米に混ぜて炊くことで食べやすくなるので、ぜひお試しください。
「お菓子をやめられない」と悩んでいる方は、カシューナッツに置き換えると亜鉛補給になる上に、カリッとした食感や自然な甘味を味わえます。
カシューナッツを買う時は、原材料表示を見て砂糖、塩、油が使われていない商品を選びましょう。
3. プロバイオティクス
プロバイオティクスとは、腸内の善玉菌である乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酢酸菌などの総称です。
厳密には栄養素ではありませんが、健康に有用な成分としてピックアップしました。

「風邪対策に乳酸菌入りのドリンクやヨーグルトを取り入れている」という方もいらっしゃるでしょう。
最近は、腸の善玉菌やそのエサとなる成分を積極的に取り入れる「腸活」が注目されています。
腸活のメリットは、便秘を解消することだけではありません。
実は、腸内細菌のバランスを整えることは、腸の持つ免疫力を高めることにも繋がります。
感染症の原因となるウイルスは、口から体の中に入ってきて、胃腸に到達します。
腸は、口から入ってきた有害なウイルスと戦ってくれる大切な臓器であり、免疫細胞の半分以上は腸に存在しています。
腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が2:1:7の理想のバランスをとることで、免疫細胞の働きが活性化されるのです。
悪玉菌より善玉菌が多い状態をつくることがポイントであり、善玉菌の「プロバイオティクス」を食事から取り入れることが免疫を高めることに繋がります。
プロバイオティクスは、以下のような発酵食品に多く含まれています。
- ヨーグルト
- 甘酒
- 納豆
- 味噌
- 塩麹
- 酢
ヨーグルトや納豆は朝食の定番メニューでもあるため、毎日取り入れている方もいらっしゃるかもしれません。
さらに、毎日取り入れる「プロバイオティクス食品」を増やしたい方には酢がおすすめです。
冬は温かい汁物や鍋料理が食べたくなる季節であり、つい塩分を摂り過ぎてしまいがち。
酢は食塩を含んでいないため、「味を足したい!」という時にぴったりな、毎日使いにぴったりの調味料です。
スープなら酸味と辛味のある「サンラータン」、鍋料理なら「しゃぶしゃぶ」のごまだれに酢を混ぜ合わせるアレンジがおいしいですよ。

まとめ
ウイルスと戦うパワーをつけるためには、規則正しい生活習慣や、バランスの良い食事が基本です。
さらに今回紹介したビタミンD、亜鉛、プロバイオティクスを取り入れてみてはいかがでしょうか?
風邪に負けず、パワフルに冬を乗り越えましょう。
参考資料
日本人の食事摂取基準2025年版 脂溶性ビタミン
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316466.pdf
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
かがやき 免疫力UP!メソッド 免疫力をつけるにはビタミンDを味方につける!
https://www.kouritu.or.jp/tokyo/content/files/about/kanko/kagayaki566/566_p08_09.pdf
西田圭吾.ここまで分かった亜鉛の免疫システムにおける役割.日衛誌.2013,68,p.145-150.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/68/3/68_145/_pdf
長谷耕二.腸内細菌による免疫制御.モダンメディア.2017,63巻,2号,p.36-40.
https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/2017_02/005.pdf
