この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

冬は空気が乾燥して、「肌がカサカサしてしまう」と悩む方も多いでしょう。

加湿器を使うことやスキンケアも大切ですが、食事で体の内側から潤わせることも大切です。

今回は、乾燥肌対策に取り入れたい栄養素について紹介します。

乾燥肌対策に欠かせない4つの栄養素とその働き

肌は、古い組織が剥がれ落ち、新しい肌が作られるサイクル「ターンオーバー」を繰り返しています。

ターンオーバーが滞ると、古い皮膚が残り続ける場合や、新しい肌が作られる前に古い皮膚が剥がれてしまう場合があり、肌トラブルが起こりやすくなるのです。

乾燥した肌表面をスキンケアで保湿することは大切ですが、食事で健康な肌づくりをサポートすることも欠かせません。

主食、主菜、副菜を揃えた健康的な食事を心掛けることが、健やかな肌を保つ基本ですが、その上で積極的に摂りたい栄養素を4つピックアップしました。

  1. n-3系脂肪酸
  2. たんぱく質
  3. ビタミンC
  4. ビタミンA

それぞれの栄養素が乾燥肌対策に役立つ理由を解説します。

1. n-3系脂肪酸

寒い時期に限らず、食事制限をしている時に肌のかさつきを感じたことはありませんか?

特にダイエット中の方に多い乾燥肌の原因は、「脂質不足」です。

肉の脂身や揚げ物を控えることは健康にとって重要ですが、脂質を控えすぎると乾燥肌の原因になります。

特に魚に多く含まれるn-3系脂肪酸は、食事で補う必要のある「必須脂肪酸」です。

n-3系脂肪酸は、血液中の中性脂肪値や、高血圧の改善など生活習慣病予防で注目されている栄養素ですが、肌を健康に保つ役割も担っています。

n-3系脂肪酸が不足すると肌がウロコのように乾燥した「ウロコ状皮膚」と呼ばれる状態や、湿疹が出やすくなり、n-3系脂肪酸を補うことで症状が良くなったという研究結果があります。

肌は水分と油分のバランスを保つことが大切であり、油分は肌の水分の蒸発を防ぐ役割があります。

内側から潤いを感じる肌づくりのためには、意識的にn-3系脂肪酸を多く含む青魚を食べることをおすすめします。

冬に旬を迎えるブリはn-3系脂肪酸の含有量が特に多く、脂が乗っておいしくなっているため、スーパーで見かけたら手に取ってみてくださいね。

2. たんぱく質

「美肌のためにはコラーゲンが良い」というイメージはありませんか?

コラーゲンは肌の内側にある真皮と呼ばれる組織の主成分であり、肌にハリや弾力をもたらしています。

コラーゲンはたんぱく質が分解されたアミノ酸から作られているため、肌をつくる材料となるたんぱく質を十分に摂ることが重要です。

たんぱく質を摂ることで、体の中でアミノ酸に分解された後に吸収され、体内でコラーゲンがつくられます。

たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品に多く含まれており、その中でも青魚はn-3系脂肪酸も摂れる一石二鳥の食品で、乾燥肌対策にぴったりです。

3. ビタミンC

スキンケアアイテムに配合される成分としても注目を集めているビタミンC。

ビタミンCは、コラーゲンを合成する時に欠かせない栄養素であり、健康な肌作りにおいて重要な役割を担っています。

さらに、「抗酸化作用」と呼ばれる細胞を傷つける活性酸素から体を守る働きがあり、「肌づくり」と「肌を守る」2つのアプローチで肌の健やかさを支えています。

ビタミンCは体に溜めておけないため、毎日摂らなければ足りなくなってしまいます。

また、ビタミンCはストレスを受けることで消費量が増えるため、ストレス社会を生きる現代人にとっては積極的に取り入れたい栄養素です。

ビタミンCは果物、野菜、じゃがいも、さつまいもに多く含まれています。

果物と野菜に含まれているビタミンCは熱に弱い性質があるため、生食がおすすめです。

しかし、「寒い冬は、生野菜よりも温かい料理を食べたい」と思いますよね。

野菜を加熱して食べることが多い方には、冬が旬のイチゴとミカンがおすすめです。

ミカンは2個、イチゴは中サイズの場合、10粒までが1日の目安量となります。

甘いものを食べたくなった時や食後のデザートとして、いかがでしょうか?

4. ビタミンA

ビタミンAは、目や皮膚を健康に保つサポートをする栄養素です。

ビタミンAが不足すると皮膚が乾燥して角質が厚く固まってしまい、肌のなめらかさが失われてしまう上に、肌のバリア機能が低下してしまいます。

ビタミンAは体に貯められる栄養素であり、摂り過ぎると肝臓に負担がかかってしまうため、摂り方を工夫することが大切です。

そこで取り入れたい栄養素が、緑黄色野菜に多く含まれる「β-カロテン」です。

β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変わることから、「プロビタミンA」と呼ばれており、摂り過ぎの心配はありません。

さらに、嬉しいポイントが、ビタミンCと同様に抗酸化作用があることです。

冬は、β-カロテンを豊富に含む春菊、小松菜、ホウレンソウが旬を迎え、栄養価が高まり、味わいも豊かになっています。

β-カロテンは加熱に強いため、寒い時期に食べたくなるスープや鍋物に入れても問題ありません。 和え物、スープ、鍋料理などいつもの料理に冬が旬の青菜をプラスしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

毎日食べる食材の持つ栄養素から、私たちの体は作られています。

肌の乾燥が気になる冬は、食べ物からのインナーケアが心強い味方になりますよ。

青魚や、冬が旬の果物や野菜を積極的に取り入れて、体の内側から潤いのある肌を育んではいかがでしょうか?

参考資料

日本人の食事摂取基準2025年版 脂質
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316463.pdf

健康長寿ネット ビタミンAの働きと1日の摂取量
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html

農林水産省 aff 2019年12月号 冬野菜
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1912/spe2_01.html