この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

風邪やインフルエンザの流行期でもある冬は、日々の体調管理に気を配りたいものですよね。

元気に冬を乗り越えるためには、活力の元となる栄養素を補うことが大切です。

旬の食材は、おいしさと栄養価が高まるため、無理なく栄養を補うための強い味方といえます。

今回は、冬の旬食材の中でも特に栄養価が優れている野菜を4つ紹介します。

冬のおすすめ旬食材4つと栄養の特徴

冬に旬を迎える野菜は、白菜、水菜、ほうれんそうなど様々な種類があります。

種類豊富な冬の旬食材の中でも、特に栄養価の高い野菜は下記の4つです。

  1. 大根
  2. ブロッコリー
  3. 小松菜
  4. 菜の花

それぞれの野菜の栄養面の特徴やおすすめの食べ方を紹介します。

1. 大根

七草粥の材料のひとつである大根は、10月から2月にかけて旬を迎えます。

「喉の痛みには、大根をはちみつに漬けた汁を飲むと良い」と聞いたことはありませんか?

これは、大根の根に含まれる辛み成分「イソチオシアネート」の殺菌作用に由来しています。

イソチオシアネートは、消化を促す働きや、殺菌作用があり、風邪をひきやすい冬に取り入れたい成分です。

大根の先端に多く含まれており、熱に弱い性質があるため、十分な効果を得たい方は、先端部位を大根おろしやはちみつ大根にすることをおすすめします。

また、葉つきの大根を手に入れた際は、ぜひ葉まで食べ切ってください。

大根の葉は、カリウム、カルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンK、葉酸、ビタミンCを豊富に含む優秀な食材です。

特にカルシウムの含有量は牛乳の2倍以上であり、大根の葉100gに260mgのカルシウムを含んでいます。

1つの食材で多様なビタミンとミネラルを補える野菜は貴重であり、効率良く栄養を補いたい方にぴったりです。

大根の葉は、塩もみするとかさが減ってやわらかくなり、食べやすくなります。

大根の葉を混ぜた鶏団子スープや、お好み焼きやチヂミの具材、ご飯に混ぜ込んでおにぎりにするのもおいしいですよ。

2. ブロッコリー

通年スーパーで見かけるブロッコリーですが、冬になると甘みが増しておいしくなります。

野菜の中でもたんぱく質の含有量が多いブロッコリーは、筋トレに力を入れている方にも注目されている食材です。

ブロッコリーは食物繊維、カリウム、β-カロテン、ビタミンK、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビオチン、ビタミンCを豊富に含みます。

大根の葉と同様に、1つの食材から多様な栄養素を補える貴重な食材のひとつです。

ブロッコリーは、茹でて調理することが一般的ですが、葉酸、ビオチン、ビタミンCは水に流れ出やすいため、茹でるよりも蒸す調理法をおすすめします。

電子レンジを使用する場合、小房に分けたブロッコリーと少量の水を耐熱容器に入れてふんわりとラップをかけ、600Wで3分ほど加熱します。

水っぽくならずおいしく仕上がる上に、水に流れ出やすい栄養素を留めることができますよ。

3. 小松菜

グリーンスムージーの材料としても人気の小松菜は、アクが少なく食べやすい青菜です。

小松菜は、カリウム、カルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンK、葉酸を豊富に含んでいます。

鉄分の多い野菜と言えば、ほうれんそうをイメージする方が多いかもしれません。

しかし、それぞれの鉄含有量は、ほうれんそうは100gあたり2.0mgに対し、小松菜は100gあたり2.8gであり、ほうれんそうを上回っているのです。

鉄分を取り入れたい方は、小松菜を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?

冬は甘さが増しておいしくなるため、生でも十分おいしく食べられることも、小松菜の魅力です。

バナナと牛乳と合わせてミキサーにかけたグリーンスムージーのほか、サラダにするのも良いでしょう。

いつもレタスを使うところを小松菜に変えるだけで、グンと栄養価がアップしますよ。

4. 菜の花

冬ならではの季節を感じられる野菜のひとつが、菜の花です。

独特のほろ苦い味と黄色いつぼみは、1品添えるだけで食卓に季節感をもたらしてくれます。

菜の花は「和種」と「洋種」に分けられ、和種は花のつぼみまで食用とし、苦味が強いものが多いです。

一方で洋種は花茎と葉だけを食用とし、苦味が少なく食べやすいという特徴があります。

菜の花は、食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビオチン、ビタミンCを豊富に含みます。

同じ菜の花でも、種類によって栄養素の含有量が異なり、食物繊維、カルシウム、鉄、葉酸は和種の方が豊富です。

菜の花はアクが無いものの、特有の苦みがあるため加熱すると食べやすくなります。

さっと茹でた菜の花をからし醤油で和えた「からし和え」が定番で、ほろ苦さと辛さの大人の味わいが楽しめる1品です。

まとめ

寒さで体調を崩しやすい冬は、旬の野菜から栄養を取り入れて元気に乗り越えたいものです。

大根、ブロッコリー、小松菜、菜の花を見かけた際は、ぜひ手に取ってみてください。

参考資料

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年