この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

皆さんは体型を判断する時、何を指標にしていますか?

多くの方は体重で「太っている」「痩せている」と考えるのではないでしょうか。

実は、痩せているか、太っているかを判断するためには、体重以外の指標があります。

今回は、体型を正しく判断する指標について紹介します。

自分の体型を判断するための3つの指標

体重100kgと聞くと、どのような印象を受けますか?

「それは太り過ぎだ」と感じる方が多いかもしれません。

それでは、「体重100kgの格闘家」と聞くと、印象はいかがでしょうか?

筋肉量が多く、がっしりした体格をイメージし、肥満という印象は無いはずです。

これが、体重だけでは太っているか痩せているかを判断できない理由です。

体重の数値だけではなく、身長と体重のバランスや、筋肉、体脂肪、水分などの体組成が、体型を判断する指標となります。

体重に加えて、以下の項目をチェックしましょう。

  1. BMI
  2. 体脂肪率
  3. 腹囲

それぞれの詳しい内容を紹介します。

1. BMI

BMIとは、Body Mass Indexの略で、国際的に使われている体格指数であり、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出します。

BMIの数値による体格の基準は年齢によって異なりますが、18歳以上の年齢で共通し、BMI25.0以上を肥満と判定します。

下記のBMIの範囲が健康的な体型の目安です。

<年齢別 目標とするBMIの範囲>

年齢(歳)目標とするBMI(kg/m²)
18~4918.5~24.9
50~6420.0~24.9
65以上21.5~24.9

体重70kg、身長150㎝の場合、計算式は70÷(1.5×1.5)=31.1となり、BMIは31.1です。

同じく体重70kg、身長180cmの場合は、同様に計算するとBMIは21.6となります。

体重が同じ70kgでも、身長150㎝の場合は肥満になりますが、身長180㎝の場合は標準体型となるのです。

このように、同じ体重でも、身長によって体型の評価は変わります。

ダイエット中に目指す体重は、BMIの下限値以上、BMI24.9以下にしましょう。

しかし、BMIだけでは体型を正確に判断することができません。

その理由は、体脂肪や筋肉などの体組成が考慮されていないためです。

正しく体型を判断するためには、次に紹介する「体脂肪率」と「腹囲」も併せてチェックしましょう。

2. 体脂肪率

肥満とは、体重が重いことではなく、「体脂肪が過剰に蓄積された状態」を指します。

そのため、BMIが「肥満」の範囲にあっても、体脂肪率が低い場合は、本当の意味での「肥満」にはあたりません。

一方で、BMIでは「痩せ」であっても体脂肪率が高い場合は、「隠れ肥満」の場合があります。

成人の体脂肪率の基準において、女性は30%、男性は25%を超えると、肥満と判断されます。

体重計に体組成が測定できる製品もあるため、ご自宅の体重計をご確認ください。

体組成計は、スポーツジム、薬局、公共施設に置いている場合もあります。

これらで測定する体脂肪率は、弱い電気を体に通して体組成を推定する方法であり、多少の誤差が生じます。

誤差を最小限にするためには、以下の条件を満たした上で計測しましょう。

  • 起床後2時間以上経過している
  • 食後2時間以上経過している
  • 計測前にトイレを済ませる
  • 運動や入浴の直後は避ける
  • むくみや脱水がある場合は避ける
  • 手足の冷えや乾燥がない状態で測る
  • 衣類の重量を正しく設定する

体脂肪率が高い方は、筋肉量を増やして体脂肪を落とすために、食事や運動習慣を見直すことをおすすめします。

3. 腹囲

「健康診断で腹囲を測るのはなぜだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

体脂肪には、体の中心につく「内臓脂肪」と、皮ふの下につく「皮下脂肪」の2種類があります。

腹囲は、内臓脂肪の量を判断する指標です。

内臓脂肪が多いと、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の発症率が高くなることが知られています。

腹囲は、メタボリックシンドロームの診断基準の1つである重要な指標です。

メジャーで手軽に測定できるので、自宅でもぜひ測ってみましょう。

腹囲は、男性は85cm以上、女性は90cm以上で、内臓脂肪100cm²以上に相当し、「内臓脂肪型肥満の疑いあり」に該当します。

腹囲は、「ぴったりサイズだったズボンがきつくなった」「ベルトを通す穴の位置が変わった」など、普段の生活で気づきやすい変化が現れる場所です。

ダイエット中は、体重や体脂肪率だけでなく、腹囲も気にかけてみてはいかがでしょうか?

まとめ

痩せているか、太っているかは体重だけでは判断できません。

BMIと腹囲は自分で簡単に評価できる、体型の指標です。

特に腹囲は、普段着ている衣類のフィット感から判断できるため、日々のちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。

参考資料

日本人の食事摂取基準2025年版 エネルギー
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316461.pdf

厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~ 体脂肪計
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-091

タニタのプロフェッショナル体組成計スペシャルサイト 体組成を正確にはかるために気を付けたいこと
https://www.tanita.co.jp/business/special/healthmeter/howtouse/1542/