この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

「食事に気を付けているのに、なかなか痩せない」と悩んだことはありませんか?

実は、体に良いと思って積極的に取り入れている食品が、ダイエットを妨げている可能性があります。

今回は、健康に気を付けている人ほど注意したい食品と、その理由について紹介します。

一見するとヘルシーですが、摂り過ぎ注意な食品は下記の6つです。

  1. ナッツ類
  2. 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品
  3. 卵料理
  4. 春雨スープ
  5. こんにゃくゼリー
  6. グラノーラ、シリアル

それぞれの、摂り過ぎに気を付けたい理由を解説します。

1. ナッツ類

食物繊維、ビタミン、ミネラルが摂れることから、ダイエット中の方にお菓子代わりとして人気を集めています。

「砂糖、塩、油を使用していない素焼きのナッツを選べば大丈夫」と思っている方は要注意。

実は、ナッツそのものが脂質を多く含んでおり、高カロリーな食材です。

くるみは重量の約69%の脂質を含み、1粒だけで42kcalものエネルギーがあります。

健康な人の場合、1日の間食の量は200kcal程度とされており、このエネルギー量に相当するナッツ類の目安量は下記の通りです。

ナッツの種類目安量エネルギー(kcal)
くるみ5粒210
マカダミアナッツ13粒195
カシューナッツ22粒195
アーモンド33粒201
ピーナッツ35粒200

カロリーオーバーを防ぐためには、上記の表に記載した量以内で召し上がると良いでしょう。

ナッツ以外にも間食をとる方や、減量中の方は上記の量より少な目にすることをおすすめします。

2. 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品

「カルシウムを摂らなければ」と考え、乳製品をたくさん取り入れていませんか?

乳製品はカルシウムの吸収率が高く、たんぱく質も摂れる一方、「飽和脂肪酸」と呼ばれる心臓病のリスクを高める脂質を多く含みます。

農林水産省の調査において、通常の食生活で摂る飽和脂肪酸の平均量が、目標量を上回っていることが分かりました。

また、令和5年の国民健康栄養調査では、30~60代の女性の約半数が、脂質の目標量をオーバーしていることが分かっています

乳製品は、朝食に毎日取り入れている方も多く、カフェオレなどの飲料や洋菓子、洋食にも使われているため、知らずに摂りすぎていることがあります。

1日に摂る乳製品の量は、牛乳コップ1杯、ヨーグルトカップ2つ、チーズ2枚のいずれかが目安です。

複数の乳製品をとりたい場合は、それぞれの量を調整したり、低脂肪タイプの牛乳やヨーグルトを選ぶと良いでしょう。

3. 卵料理

オムライス、スクランブルエッグ、天津飯など、卵をふわふわに仕上げる料理は要注意。

これらは、たくさんの油を使って調理していることがほとんどです。

ホテルのモーニングブッフェで定番のスクランブルエッグは、卵液に生クリームを加え、たっぷりのバターで炒めて作られることもあります。

ダイエット中の方には、茹で卵やポーチドエッグ、卵スープなどの油を使わず完成する卵メニューがおすすめです。

4. 春雨スープ

「春雨はあっさりしているから低カロリー」と思っていませんか?

実は、春雨の主成分はでんぷんであり、糖質を多く含んでいます。

そして、春雨にはビタミン類は全く含まれておらず、ミネラルの含有量もわずかです。

カップラーメンの代わりに春雨スープを選ぶことで、摂取エネルギー量は抑えられますが、低カロリーだと思ってたくさん食べてしまうと糖質の摂り過ぎになってしまうため、ご注意ください。

5. こんにゃくゼリー

「甘いものを食べたい時は、ヘルシーなこんにゃくゼリーを選んでいる」という方もいらっしゃるかもしれません。

こんにゃく自体は低カロリーで食物繊維やミネラルを含む、積極的に取り入れたい食品です。

しかし、こんにゃくゼリーの原材料を見てみると、先頭に表示されているものはブドウ糖果糖液糖であり、2番目には砂糖と記載されています。

実は、こんにゃくよりも糖類の使用量が多いのです。

こんにゃくゼリーの食べ過ぎは血糖値や中性脂肪の上昇の原因になるため、ご注意ください。

6. グラノーラ、シリアル

開封してすぐに食べられるグラノーラやシリアルは朝食に人気です。

パッケージに食物繊維、ビタミン、ミネラルが摂れると表示されていることもあり、健康のために取り入れている方もいらっしゃるかもしれません。

食物繊維の多いオーツ麦やライ麦を主原料にしているグラノーラでも、原材料表示を見てみると、砂糖や食物油脂が上位に表示されているものがあります。

サクサクとした食感や甘い味付けでおいしく食べられる理由は、砂糖や油を使っているためです。

また、食べる量にも注意が必要です。

栄養成分表示には1食分の重量が記載されており、その量は40~50gの製品がほとんどです。

この量よりも多く食べている場合は、カロリーオーバーになっている可能性があります。

気になる方は、普段食べている量を量ってみてはいかがでしょうか?

まとめ

健康のためと思って取り入れていた食品が、実はカロリーオーバーの原因である場合があります。

食品のイメージに惑わされず、使われている原材料や栄養成分をチェックしてから取り入れると安心です。

参考資料

厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~ お菓子や間食の取り入れ方
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-002

令和5年国民健康・栄養調査報告 第1部 栄養摂取状況調査の結果
https://www.mhlw.go.jp/content/001435373.pdf

農林水産省 脂質のとりすぎに注意
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_care.html

農林水産省 実践食育ナビ 食事バランスガイド早わかり
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/chart.html