この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

「ダイエットのために魚や野菜を取り入れたいけど、子どもが食べてくれなくて困る」と悩む方は少なくありません。

しかし、子どもの食事に加えて自分のダイエットメニューを作るとなっては、手間も時間もかかって大変です。

今回は、大人と子どもで料理を作り分けせずに、カロリーカットするアイディアを紹介します。

子供向けメニューをカロリーカットする方法6つ

「子どもが食事をしっかりとれるように」と思うと、子どもの好きな揚げ物やカレー、肉料理が中心になりがちです。

子どもが喜ぶメニューは高カロリーなものが多いため、ダイエット中には控えたいもの。

しかし、そのようなメニューでもちょっとした工夫でカロリーを抑えることができますよ。

その方法が下記の6つです。

  1. 仕切り付きのプレートに盛り付ける
  2. 揚げ物は衣を薄く、カットは揚げた後に
  3. 豚こま切れ肉は赤色の部分が多いものを選ぶ
  4. カレーは具沢山にしてルーの割合を減らす
  5. 主菜と副菜を兼ねたメニューの頻度を増やす
  6. かさ増しメニューを取り入れる

それぞれの詳しい方法をお伝えします。

1. 仕切り付きのプレートに盛り付ける

最も手軽な方法が、盛り付けるお皿を変えることです。

大皿に盛り付けて、各々が小皿に取るスタイルは、どのくらいの量を食べたか分からなくなり、ついつい食べ過ぎてしまうことも。

盛り付ける時は、「これではお腹いっぱいにならないな」と思う量に抑えることがポイントです。

「食べる量は最初に盛り付けた量まで」と決めることで、食べ過ぎを抑えられますよ。

仕切りつきのプレートは、洗い物も少なくなって一石二鳥です。

2. 揚げ物は衣を薄く、カットは揚げた後に

唐揚げ、とんかつ、フライは子どもが大好きなメニューです。

子どもに喜んでもらいたいという気持ちで、揚げ物を作る頻度を増やすと、親の体重も増えていってしまいます。

揚げ物をカロリーオフするためには、油を吸う量を抑えることがポイントです。

初めから小さく切って揚げたり、衣を厚くしたりすると、油を吸う量が増え、高カロリーになってしまいます。

揚げ物を作る際は、衣を薄くして、食材のカットは揚げた後にすることがカロリーオフの秘訣です。

フライドポテトの場合は、細切りよりも、くし切りのものを選びましょう。

鶏肉の揚げ物を作る際は、衣の厚いチキンカツよりも、衣の薄い唐揚げの方が脂質の量を抑えられますよ。

3. 豚こま切れ肉は赤色の部分が多いものを選ぶ

お手頃価格の豚こま切れ肉は、家計の味方です。

しかし、色々な部位が混ざって販売されているため、選び方によっては脂質が多くなってしまうことも。

少しでも低カロリーな豚こま切れ肉を手に入れるためには、肉の色をチェックしましょう。

白色の部分が多い豚こま切れ肉は、脂身を多く含んでいます。

一方、全体が赤色のものは、たんぱく質の割合が多く、脂身が少ないためダイエット中におすすめです。

4. カレーは具沢山にしてルーの割合を減らす

子どもが喜ぶ定番メニューのカレーは、家庭で作る頻度の高い料理のひとつです。

市販のカレールウの多くは、約34%が脂質でできています。

カレーは、具材の肉や調理油の脂質を合わせると、1人前で約60gの脂質を含むこともある高カロリーメニュー。

カレーのカロリーをカットするポイントは、野菜やきのこなどの具材をたくさん使い、ルウの割合を減らすことです。

トマト缶やきのこを入れて煮込むことはもちろん、別茹でしたブロッコリーやホウレンソウ、グリルしたパプリカやズッキーニを添えると彩りよく仕上がります。

カレーはいつも通り作り、取り分ける時に自分の分だけルウを少なめに盛り付け、野菜をトッピングする方法もできるため、ぜひお試しください。

ルウを減らすことで、自然とご飯の量も減らせて食べ過ぎを抑えられますよ。

5. 主菜と副菜を兼ねたメニューの頻度を増やす

肉野菜炒め、チンジャオロース、酢豚、ブリ大根、アジの南蛮漬けなどの肉や魚に野菜を組み合わせた料理は、野菜を積極的に取り入れたい方にぴったりです。

取り分ける時に、自分の分を野菜たっぷりにして、子どもの分は肉を多めにすることもできて、家族みんなが満足できます。

主菜と副菜をそれぞれ作ることが大変な時にも、1品でおかず作りが完了して時短になりますよ。

6. かさ増しメニューを取り入れる

低カロリー食材でボリュームを出して、肉を使う量を減らすこともおすすめです。

薄切りの豚肉や牛肉は、豆腐、もやし、エリンギを巻いて焼くと、見た目に厚みが出て豪華な印象になります。

ハンバーグや鶏つくねには、細かく刻んだえのきやもやし、おから、豆腐を混ぜ込む方法がおすすめ。

やわらかく仕上がる効果もあり、かさ増しできる上においしく仕上がります。

かさ増しはカロリーオフしながら節約にもなる一石二鳥の方法です。

子どもの頃から健康的な食生活を身に着けることも大切

子どもの好きなメニューをカロリーオフする方法を紹介しましたが、子どもにとっても脂質や糖質は摂り過ぎたくないものです。

子どもの頃から食生活が乱れていると、将来の生活習慣病や動脈硬化のリスクが高まります。

子どもから大人まで家族全員が健康に過ごせるように、魚や野菜を多く使った料理や、油を控えた料理も積極的に取り入れることをおすすめします。

まとめ

高カロリーメニューでも、盛り付けるお皿や調理方法を工夫することで、カロリーオフすることができます。

また、魚や野菜を多く使ったメニューを登場させることは、家族全員の健康につながります。

子どもの好きなメニューも、ご自身のダイエットのために食べたいメニューも両方取り入れて、色々な味わいを楽しんでくださいね。

参考資料

日本食品標準成分表2020年版(八訂)

針谷順子. 食事コーディネートのための主食・主菜・副菜料理成分表 第3版. 群羊社.2008.p23

“将来の自分”を意識した生活習慣の重要性~小児期・若年期からの「日本型食生活」を通した健康づくり~
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