この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)
【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動
【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得
ビタミンCと聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?
化粧品にも配合されている成分であるため、美容に良いというイメージを持っている方が多いかもしれません。
今回は、ビタミンCが肌に良いと言われている理由や、ビタミンCを効率的に補う方法について紹介します。
ビタミンCの働き
ビタミンCは、水溶性ビタミンと呼ばれる、水に溶けやすいビタミンの1種です。
ビタミンCには下記のような働きがあります。
- 抗酸化作用
- コラーゲンをつくるサポートをする
- 鉄分の吸収率を高める]

抗酸化作用とは、細胞を傷つける活性酸素から体を守る働きのことです。
活性酸素は、老化や病気の原因にもなるため、抗酸化作用のある栄養素を取り入れることが大切です。
肌の弾力やハリのもとは、肌表面の内側にある真皮という層です。
コラーゲンは、真皮の大部分を構成するたんぱく質であり、細胞同士をつなげる働きがあります。
コラーゲンをつくるためにはビタミンCが必要になることから、美肌のビタミンというイメージにつながっています。
また、コラーゲンは血管の弾力を保つ役割もあるため、ビタミンCが不足すると、血管がもろくなり出血しやすくなります。
ビタミンCは、美容のためだけでなく、健康な体を維持するためにも大切な栄養素なのです。
他にも、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きもあるため、貧血の方には必須の栄養素です。
鉄不足による貧血を改善したい方は、鉄分と併せてビタミンCも取り入れましょう。
ビタミンCが豊富な食品
ビタミンCは、野菜、果物、芋類に多く含まれています。
日本人の食事摂取基準において、ビタミンCの摂取量は1日あたり100mgを推奨量としています。
今回は、1つの食材で1日の1/2以上のビタミンCを補える食品を紹介します。
<ビタミンCを豊富に含む食品>
食品名 | 食品の量 | ビタミンC含有量(mg) |
---|---|---|
ゴールドキウイ | 1個(100g) | 140 |
菜の花 | 1/2袋(80g) | 104 |
パプリカ(赤) | 1/2個(60g) | 102 |
柿 | 1個(130g) | 91 |
パプリカ(黄・オレンジ) | 1/2個(60g) | 90 |
豆苗 | 1袋(100g) | 79 |
ピーマン | 2個(100g) | 76 |
モロヘイヤ | 1袋(100g) | 65 |
いちご | 5粒(100g) | 62 |

ゴールドキウイは、1個で1日分のビタミンCを摂れるおすすめの食品です。
ビタミンCを豊富に含む食品には、旬の時期にしか出回らない食品もあります。
旬の時期には栄養価も高まるため、春には菜の花、秋には柿など、季節の食品を取り入れると良いでしょう。
上記の表に載っていない野菜や果物にもビタミンCは含まれているため、普段から野菜や果物を積極的に取り入れることで、必要なビタミンCを補えますよ。
ビタミンCを効果的に取り入れるポイント
ビタミンCの多い食品を取り入れても、調理法や摂り方によって、摂取量が落ちてしまうことがあります。
効率良くビタミンCを取り入れるためには、下記の4つのポイントを押さえましょう。
- 加熱時間を最小限にする
- 茹でるより、蒸すかレンジ加熱がおすすめ
- 喫煙やストレスを受けた後は多めに補う
- まとめて大量に摂るより、少しずつ摂る
それぞれの理由や詳しい方法を紹介します。
1.加熱時間を最小限にする

ビタミンCは熱に弱い栄養素です。
焼く、炒めるなどの加熱調理をする際は、加熱時間を最小限にしましょう。
しかし、芋類は加熱しても問題ありません。
それは、芋類に含まれるビタミンCは、でんぷんによって守られており、加熱しても分解されないためです。
皮なしの蒸したさつまいもは、1/2本(90g)で26mgのビタミンCを補給できます。
秋の朝食やおやつにいかがでしょうか?
ビタミンCが豊富なピーマンやパプリカは、生でも食べられるため、サラダにもおすすめです。
2.茹でるより、蒸すかレンジ加熱がおすすめ

水に溶けやすいビタミンCは、水に漬けておくことで流れ出てしまいます。
茹でると、茹で汁にビタミンCが出てしまうため、蒸すかレンジ加熱による調理法がおすすめです。
茹でる必要がある場合は、なるべくカットせず、大きいサイズのまま茹でることで、断面からのビタミンCの流出を最小限にできますよ。
3.喫煙やストレスを受けた後は多めに補う

喫煙やストレスによって、ビタミンCの消費量が多くなります。
タバコやストレスによるダメージから体を守ろうとして、ビタミンCが使われてしまうのです。
どうしてもタバコをやめられない方や、ストレスを受けたと感じた後は、意識的にビタミンCを補給しましょう。
4.まとめて大量に摂るより、少しずつ摂る

ビタミンCは、体の中に貯めておけない栄養素です。
一度に多量に摂っても、余ったビタミンCは尿から排出されてしまいます。
1日の中で少しずつ摂ることで、効率よくビタミンCを補うことができますよ。
ビタミンCを豊富に含む食品を紹介しましたが、一度に食べ切るよりも、3食に分けて取り入れることをおすすめします。
ゴールドキウイの場合は朝と夕、半分ずつに分けて食べるのも良いでしょう。
まとめ
ビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲンの生成を助けることから、美容に役立つ栄養素として知られています。
ビタミンCを含む野菜や果物の中でも、ゴールドキウイ、菜の花、パプリカは特にビタミンCの含有量が豊富です。
効果的にビタミンCを取り入れるなら、生の野菜や果物を1日数回に分けて取り入れることをおすすめします。
参考資料
日本人の食事摂取基準(2025年版) 水溶性ビタミン
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316467.pdf
日本食品標準成分表2020年版(八訂)