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睡眠時無呼吸症候群の症状やなりやすい人、診断、治療などについて

ヘルスコラム

この記事の著者

【氏名】伊藤たえ(脳神経外科医)

【経歴】
2004年3月 浜松医科大学医学部卒業
2004年4月 浜松医科大学付属病院初期研修
2006年4月 浜松医科大学脳神経外科入局
2013年7月 河北総合病院 脳神経外科 勤務
2016年9月 山田記念病院 脳神経外科 勤務
2019年4月 菅原脳神経外科クリニック 勤務
2019年10月 医療法人社団赤坂パークビル脳神経外科
菅原クリニック東京脳ドック 院長

【専門】
日本脳神経外科専門医  日本脳卒中学会専門医

【資格・免許】
医師免許

睡眠時間は確保できているはずなのに、日中に強い眠気に襲われたり、集中力が低下してしまうことはありませんか?

あるいは朝の目覚めがスッキリせず、朝から頭が重たいことはありませんか?

もし、夜中に何度も起きてしまったり、熟睡感がなかったりした場合は、睡眠時無呼吸症候群になっているかもしれません。

ひとり暮らしだとなかなか気づきにくいですが、夜中の大きないびきや、呼吸が止まっていることを同居人に指摘された場合は、可能性が大きいです。

ほうっておくと、高血圧や糖尿病にも繋がり、最悪の場合心筋梗塞や脳梗塞にも発展しかねません。

睡眠時無呼吸症候群の病態を知って、必要に応じて受診しましょう。

目次

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に何度も呼吸が浅くなったり、止まったりすることで、十分に酸素が脳に行き渡らない状態が発生する病気です。

大きないびきをかくことも多いです。

熟睡感が得られず、何度も夜中に目を覚ましたり、日中の眠気を伴います。

倦怠感や頭痛も伴うことがあります。

放置しておくと、様々な合併症を引き起こす可能性があるため、実はとても怖い病気です。

睡眠時無呼吸症候群は、主に閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群に分類されます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群 は上気道の閉塞が原因で、中枢性睡眠時無呼吸症候群は脳幹からの呼吸信号の欠如によって生じます。

中枢性睡眠時無呼吸症候群は脳の機能異常であり、睡眠時無呼吸症候群の9割は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群ですので、今回は閉塞性睡眠時無呼吸症候群について説明していきます。

睡眠時無呼吸症候群の症状

昼間の強い眠気

睡眠中に繰り返し呼吸が止まり、睡眠が浅くなるため睡眠不足になります。

そのため日中に強い眠気を感じます。集中力も低下し、仕事や勉強のパフォーマンスが低下します。

居眠り運転事故や労働災害の原因にもなります。

高血圧

呼吸が一時的に止まることで、身体が酸素不足の状態にさらされ、自律神経系が乱れます。

交感神経が過活動になり、血圧の上昇をもたらします。

糖尿病

交感神経が亢進すると、インスリン抵抗性が増強し、高血糖になります。

全身の酸化ストレスも増加し、インスリン感受性が低下することも、糖尿病に繋がります。

動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害

高血圧、糖尿病は動脈硬化を引き起こし、進行すると心筋梗塞や脳血管州外の原因になります。

頭痛

低酸素状態は脳血管の拡張を引き起こし、頭蓋内圧の変動や血管性頭痛の誘因となります。

低酸素状態は、酸化ストレスや炎症性サイトカインの産生を促進し、これも頭痛の発症に関与します。

睡眠時無呼吸症候群になりやすい人

成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加します。

実際に以下のような人が、睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われています。

  • 太っている人
  • 下顎が引っ込んでいる人
  • 顎が細くて小さい人
  • 閉経後の女性
  • 甲状腺機能低下症の人
  • 扁桃腺が大きい人
  • 舌が大きい人

太っている場合は、減量すればいいのですが、もともとの体型の場合は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいことを自覚して、睡眠時や日中に疑わしい症状が出た場合は、直ぐに病院を受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の診断

睡眠時無呼吸症候群は、呼吸器内科や耳鼻咽喉科で診断がなされます。睡眠外来やいびき外来を設けているクリニックもあります。

診断にあたっては、詳細な症状の確認や、先ほど説明したリスクの評価などを行います。

スクリーニング検査として、携帯型装置による簡易検査を行います。その次に、ゴールドスタンダードである終夜睡眠ポリグラフ検査というもので、睡眠中の呼吸状態の評価を行います。

1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)で、重症度を判定します。

その重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。

睡眠時無呼吸症候群の治療

AHIが20以上で、日中の眠気などを認める睡眠時無呼吸症候群の方は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous posi-tive airway pressure:CPAP)の治療の適応があります。

CPAPは、マスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。

また、下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。

太った方の場合は、痩せることによって、無呼吸の程度が軽減することが多いです。

食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。また、アルコールは睡眠の質を悪化させるので、気をつけましょう。

睡眠時無呼吸症候群の危険性と治療の重要さ

睡眠時無呼吸症候群では高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍も高くなるといわれています。

特に、AHIが30以上の重症の方では、心血管系の病気になる危険性が約5倍にもなります。

しかし、CPAP治療で、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。

参考情報

一般社団法人 日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/i/i-05.html