この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

栄養源として与える影響が大きい主食。

ご飯、パン、麺のなかでも様々な種類があり、それぞれ栄養面の特徴が異なります。

主食の選び方を工夫してダイエット効果を高めましょう。

主食の種類と特徴

主食全般に共通した選び方のポイントが1つあります。

それは、白いものより茶色いものを選ぶことです。

白米、食パン、うどんなどの白い主食は精製された穀類が使われています。

おいしくて食べやすいものの、食物繊維・ビタミン・ミネラルが少なめです。

茶色い主食のほとんどは精製されていない穀類を使われており、食物繊維・ビタミン・ミネラルが残っています。

玄米、雑穀米、ライ麦や全粒粉を使用したパンや麺、蕎麦などが「茶色い主食」にあたります。

このことを踏まえて、ご飯、パン、麺それぞれの特徴を紹介します。

ご飯

和洋中どの料理の主食にもなるご飯。

実は、ダイエット中の主食に最もおすすめです。

パンや麺と比べて原材料が米と水だけでシンプルであることが理由のひとつです。

パンや麺には塩や油脂が加えられており、摂りすぎたくない栄養素が含まれています。

ご飯は主食自体に味付けをせず食べられるため、余分な食塩や脂質を摂らずに済むことも利点です。

一方で、白米はビタミン・ミネラルが少ないという欠点もあります。

その欠点を補うには、玄米や押麦をご飯に混ぜ込むことがおすすめです。

玄米には白米の約8倍のビタミンB1,約10倍のビタミンB6、約3倍のカリウムを含んでいます。

ビタミンB1は糖質の代謝を助ける働きがあり、ダイエットには欠かせない栄養素です。

特にアルコールを多く摂る方や過労によって不足しやすくなります。

ビタミンB6はたんぱく質代謝を助ける栄養素で、筋肉をしっかり付けたい方は積極的に摂りたい栄養素です。

カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、むくみが気になる方や血圧が高めの方にとって重要な栄養素といえます。

押麦は白米の約3倍の食物繊維を含んでおり、ダイエット中に嬉しい下記の働きがあります。

  • 便秘を予防する
  • 血糖値の上昇を緩やかにする
  • 血中コレステロール値を改善する

ダイエットや生活習慣病予防に取り組む方におすすめの食品です。

どちらも噛み応えがアップし、よく噛むことで満腹感を感じやすくなります。

ダイエット中の基本となる主食は玄米や押麦を混ぜ込んだご飯が最適です。

最近はコンビニや冷凍のおにぎりに麦ご飯を使った商品があり、玄米はパックご飯としてスーパーに並んでいます。

手軽に取り入れられるので、ぜひお試しください。

パン

種類によって脂質の量が大きく変わるパン。

クロワッサンやデニッシュはバターが多く使われており、ハイカロリーでダイエットには不向きです。

普段の主食としては、原材料がシンプルな食パンがおすすめ。

その中でも、ライ麦を使用したパンは食物繊維が豊富でダイエットにぴったりです。

ライ麦パン6枚切り1枚あたりに3.4gの食物繊維が含まれています。

バターやジャムを塗ると、糖質や脂質を摂りすぎてしまうため何もつけずに召し上がりましょう。

トーストすることで、香ばしさやカリッとした食感でおいしくいただけますよ。

うどん、蕎麦、スパゲッティ、ラーメンなど様々な種類がありますが、麺自体に含まれる栄養素の差は大きくありません。

そのため、麺料理として味付けを加味して考えます。

どれも共通するのは「汁やソースと一緒に食べる」ということです。

知らず知らずのうちに、麺がまとった汁やソースから食塩や脂質を摂りすぎてしまうことも。

温かいラーメンやうどん、蕎麦は汁を全て残しても3g程度の食塩を摂ることになります。

これは1日の食塩摂取目標量の半分程度です。

麺を食べる際、汁やソースは残すことをおすすめします。

栄養バランスが糖質と脂質に偏りやすいことも麺料理の特徴です。

ラーメンのチャーシューは脂質が多いため1~2枚で抑えることをおすすめします。

うどんやそばの具材は天ぷらが定番ですが、脂質が多くダイエット中には不向きです。

不足しがちなたんぱく質・食物繊維・ビタミン・ミネラルを補給するために、下記のようなメニューを選ぶと良いでしょう。

うどんや蕎麦:トッピングに卵、鶏肉、山菜、わかめ、ネギを乗せたもの

ラーメン:トッピングに卵、ほうれんそう、わかめ、ねぎを乗せたもの

スパゲッティ:トマトソース、具材に鶏肉、鮭、あさり、ほうれんそう、きのこ類が入ったもの

また、麺類は喉ごしが良いため、よく噛まずに食べてしまいがち。

早食いは食べ過ぎの原因になるので、スローペースで食べることを意識しましょう。

まとめ

ダイエット中に摂りたい栄養素が豊富に含まれている「玄米ご飯」「麦ご飯」を普段の主食の中心にすることをおすすめします。

野菜不足になりやすい方は、主食にこれらを取り入れることで食物繊維・ビタミン・ミネラル補給になりますよ。

毎日食べる主食選びを工夫することで、健康的な食生活に近づきます。

ぜひお試しください。