この記事の著者

【氏名】青山愛果(管理栄養士)

【経歴】
2013年~2022年 病院管理栄養士として勤務
2024年 管理栄養士としてフリーランスとして活動

【資格・免許】
2011年3月 栄養士免許 取得
2013年5月 管理栄養士免許 取得

1月から2月は新年会が開催されるシーズン。

「今年は健康に気を付けたい!」「ダイエットを成功させたい!」と思う方にとっては、食べすぎ・飲みすぎが気になるイベントです。

今回は、お酒の席を楽しみながらダイエットや健康に配慮した飲み方のポイントをお伝えします。

お酒で太る原因2つ

ダイエットしようと考える時、食事や運動を見直す他に飲酒習慣を見直すことも効果的です。

お酒によって太る原因は下記の2つが大きく影響しています。

  1. アルコール飲料は高エネルギーであるため
  2. 食欲が増しておつまみ等からの摂取エネルギー量が増えるため

1.アルコール飲料は高エネルギーであるため

アルコールは1gあたり約7kcalのエネルギーを持っています。

実は、1gあたり4kcalの糖質やたんぱく質よりも高エネルギーなのです。

アルコールがエネルギーとして代謝されている間は脂肪や糖は体に蓄積されてしまうため、アルコールの過剰摂取は肥満の元となります。

また、ビールや日本酒、梅酒は糖質を多く含んでいるため更に摂取エネルギー量が増えてしまいます。

おつまみを控えても、飲酒量が多いだけでカロリーオーバーになってしまうのです。

2.食欲が増しておつまみ等からの摂取エネルギー量が増えるため

アルコールには食欲を増す働きがあります。

お酒を飲んでいるとついつい、食べ過ぎてしまうことはありませんか?

特に唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物はおつまみの定番ですが、脂質が多いため食べ過ぎてしまうと肥満に繋がります。

さらに「締めのラーメン」に手を出してしまうと更に摂取エネルギー量が増えてしまいます。

肥満を防ぐためには「適切な飲酒量」と「おつまみのとり方」の両方に気を付けることが大切です。

適正飲酒の目安量

「お酒はほどほどに」と周囲から言われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

お酒からのカロリーオーバーを防ぐためにも、アルコール過剰摂取によるリスクを避けるためにも飲酒の適量を知ることが大切です。

健康な人の「節度ある適度な飲酒」としては1日平均純アルコール約20gが目安となります。

アルコール飲料に置き換えた量は下記のとおりです。

  • ビール  中瓶1本(500ml)
  • 日本酒  1合(180ml)
  • 芋焼酎  半合(90ml)
  • ウイスキー  ダブル(60ml)
  • ハイボール  2杯(計300ml)
  • 焼酎ソーダ割 3杯(計480ml)
  • ワイン  グラス2杯(計200ml)

1日の飲酒量は上記の量までに留めることをおすすめします。

持病があって主治医から飲酒の指導を受けている方は、医師からの指示どおりになさってください。

ダイエットや健康に配慮したお酒の飲み方4つ

飲酒量を守った上で気を付けたいのがお酒の選び方やおつまみのとり方です。

お酒を楽しみながら、ダイエットや健康に気をつけたい方は下記の4つを取り入れましょう。

  1. お酒は蒸留酒を選ぶ
  2. お酒の間に水を飲む
  3. お酒を飲む前におつまみや乳製品を食べる
  4. おつまみは高たんぱく質・低脂質のものを選ぶ

1.お酒は蒸留酒を選ぶ

摂取エネルギーを自身の適正量までに抑えることがダイエットの基本です。

乾杯の定番「ビール」は糖質が多く、アルコールに加えて糖質のエネルギー量が重なるためカロリーオーバーになりがち。

ゴクゴクと速いペースで飲んでしまうと急激に血糖値を上げ、体脂肪がつきやすくなってしまいます。 お酒は糖質を含まないウイスキーや焼酎などの蒸留酒がおすすめです。

2.お酒の間に水を飲む

また、アルコールには利尿作用があり、飲み物をお酒だけにすると脱水のリスクが高まります。

アルコールの分解にも水が必要になるため、お酒を飲む間に水を飲むことを意識しましょう。

水分補給ができることに加え、飲酒ペースを遅くしてアルコールの過剰摂取を防ぐことにもつながります。

3.お酒を飲む前におつまみや乳製品を食べる

お酒の選び方に加えて、おつまみのとり方も重要なポイントです。

空腹時にお酒を飲むと、血中アルコール濃度が急に上がり酔いやすくなります。

早い段階で酔ってしまうと判断力が低下し、飲み過ぎ・食べ過ぎになりがち。

お酒を飲む前にお通しや枝豆などをつまんでおくと良いでしょう。

乳製品は胃に膜を張ってアルコールの吸収を緩やかにする作用があるため、ヨーグルトや牛乳、チーズを飲み会の前にとっておくことも1つの方法です。

4.おつまみは高たんぱく質・低脂質のものを選ぶ

おつまみ選びのポイントは「高たんぱく質」「低脂質」です。

油を控えた調理法の野菜や肉・魚・卵・大豆製品の料理をメニューから探してみましょう。

具体的なメニューとしては、お刺身、冷奴、焼き鳥、枝豆、冷やしトマト、海藻サラダ、キャベツ、キュウリがおすすめです。

焼鳥の種類は、脂質の少ないささみや胸肉が良いでしょう。皮は脂質が多いため食べ過ぎ注意です。

まとめ

ご自身の健康や太りすぎが気になる方は、「節度ある飲酒」の範囲内でお酒の種類や飲み方、おつまみのとり方を工夫することが大切です。

もし飲み過ぎ・食べ過ぎになってしまった場合は、翌日の飲酒を控えて食事量は腹八分目までにするなど調整できると良いでしょう。

紹介した飲み方のポイントを実践しながらお酒の席を楽しんでくださいね。